1999年7月17日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・富田 剛・大塚 仁・中尾 智史・本田 仁】
「誰かど文系の私にダイオキシンについて教えてくだされ」
飲み会が始まってしばらく時間が過ぎた後で、思い出したように富田 剛が言葉を発した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客がお酒を飲みに来ており、店内は大賑わいである。前田 法重一家の面々もいつものように集合して、いつものように宴会を行っている。最近ちまたの話題であるダイオキシンであるが、昨日7月16日に国会にてダイオキシン類対策特別措置法が制定されて、排出ダイオキシン類の削減の取り組みが行われるとのことだ。その取り組み自体は理解ができるが、そもそもダイオキシンとは何なのかをど文系の富田が知るわけなく、冒頭の質問を口にしたのである。ちなみに富田は文学部出身のど文系であり、他の6人は学科は違えど全員工学部出身である。また、そもそもこのメンバーはもちろん黒髪てへトリオ部隊で集まっているのであるが、そもそもは大学生時代の某サークルRの仲間であり、その某サークルRも何故か理系のメンバーが多かったという不思議な点がある。また、中尾は正式にはこのサークルには所属していなかったが、そのことを覚えているメンバーはほとんどおらず、なぜ入っていなかったのかという件については現在も解明されていない謎として残されている。
「簡単に言えば物を燃やした時に出る有害物質やね」
「塩素を含む物質が不完全燃焼するとダメらしいよ」
質問に対して前田が簡潔に回答し、それに中島 一州が補足を入れる。それを聞いて富田は何となく納得した表情を浮かべる。塩素や不完全燃焼なども理系用語であろうが、さすがにど文系でも何となくは理解出来たようだ。
「要は庭とかで適当にゴミ燃やしちゃダメってことか」
「それ絶対ダメっすね」
思いついたことを富田が口にし、それに中尾 智史が冷静に返事を返す。家庭ごみを庭などで燃やしている風景を良く見かけるが、今後はこのようなことも出来なくなるのであろう。
「でもダイオキシンとか知らんよね。最初聞いた時には宇宙魔神かと思ったもん」
「ダイケンゴーですね」
「ダイしか共通点ねえぞ」
ダイオキシンという名称について富田が口にした言葉に、大塚 仁が瞬時に回答し、その後で本田 仁が緑川 光さんの渋い声を真似して突っ込みを入れたのであった。
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