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1999年8月3日(火)

【戦士鍛錬場:中尾 智史・大島 清吾・島田 笠音・外口 デニム】
「いやー、流石に厳しいですよ」
「でもお前がやろうとしていることはそれほどの事って事だぞ」
 ベンチに座ってポカリスウェットを補給している外口 デニムが発した言葉を聞いて、中尾 智史が優しい口調で声をかけた。ここは午前中の戦士鍛錬場。本日もたくさんの戦士が鍛錬を行っている。朝から鍛錬場にやってきた外口は、いつものように同じ部隊の丸山 静江や澤口 忍と鍛錬や模擬戦を行いながら時間を費やす。その中で自分が目指している戦闘スタイルを模索するが、最近特にしっくりこない感覚を感じている。それは一緒に模擬戦を行った丸山や澤口も感じており、その点について心配しているようだ。そこで外口は今の状況を打開しようと、実力の高い先輩たちに指導を仰ぐことにしたのである。ちなみに外口が目指している戦闘スタイルとは、今まで分類されていた避ける人、受ける人、喰らう人のスタイルを合成し、全ての要素を盛り込むことである。もっと詳しく言えば、避ける要素が予知、受ける要素が軽受、喰らう要素が微喰となる。外口は鍛錬場にいる先輩方を確認し、たまたま手が空いているようである中尾 智史に声をかけ、悩んでいる内容を打ち明ける。すると真面目に相談に乗ってくれ、予知系避ける人の島田 笠音と喰らう人の大島 清吾と一緒に指導をしてくれることになったのである。3人が3人とも真剣に指導してくれたこともあり、一通り終わった時には外口はへとへとになっていたのである。
「わかってますよ。だから必死でやってるっす」
 軽く笑顔を浮かべて外口が返事を返すと、中尾と大島、島田も軽く笑顔を浮かべた。この後もお昼の時間が来るまで順番に外口を指導し、今後も必要であればいつでも指導をするという言葉をかける。もちろんこれは外口がこのスタイルをやっていけるという見込みがあることと、真剣に向き合っている姿勢がそうさせたのである。このことに外口は大いに感謝し、鍛錬終了時には3人に対して深く感謝の意を述べたのであった。

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