2024年7月19日(金)《GB》
《同期って響き何か良いですよね。きっさまっとおーれーとーはー同期のさーくーらー♪何の歌だっけ》
【魔術師鍛錬場:富田 穂樽・竹谷 友莉・鈴木 法子・北 真理恵】
「でも穂樽さん引退したら私が1番古参になってしまうんですね」
「いや、本田さんがいますよ」
鍛錬の休憩中に竹谷 友莉が漏らした言葉を聞いて、鈴木 法子が突っ込みを返した。ここは午前中の魔術師鍛錬場。本日もたくさんの魔術師が鍛錬を行っている。現在残っている50期台であり、本田 仁を除けば古参4人組の富田 穂樽、竹谷、鈴木、北 真理恵は朝から一緒に鍛錬を行っている。その中で54期の富田は他の3人よりも1年以上早く魔術師になっており、実力としても1つ抜けている状況だ。魔術師の呪文は上級魔法、中級魔法、初級魔法に分かれているが、富田だけが中級魔法であるメテオバーストを唱えることでき、他の3人はまだ初級魔法しか唱えることができない。
「50期台として頑張って欲しいです」
「まだまだ60期台には負けられないですな」
自分は引退が決まっているので、50期台の残り3人に富田がエールを送り、それを聞いた北がそのエールに対して返事を返した。現在の冒険者組織は今年の5月に70期が入隊しているので、その70期の魔術師以外は全員60期台という事になる。とはいえ実は60期と61期の魔術師は全員引退しており、62期、63期も1名が残っているだけである。このような状況なので、まだまだ50期台と60期台の実力はかなりの差がついているのが現実なのだ。
「誰が強くなりそうだっけ」
たまに話す話題を竹谷が口にする。すると全員が鍛錬場を見渡しながら、対象者を検討する。
「やっぱり静馬くんじゃないかな。容量はかなり大きいと思う」
まずは北が黒髪アッカーマン部隊で64期の中尾 静馬の名前を出す。これについては誰も異論がなく、誰でもまず頭に浮かぶ人物だ。
「私は明梨ちゃんかな。静馬くんと同期だけど、呪文習得は早いわよね」
次に鈴木が煉獄さーん部隊で64期の本田 明梨の名前を出す。本田も魔術師としてかなり目立った実力を持っているが、父親が父親だけにかなりハードルが高めに設定されている分、多少評価が低くなる傾向がある。
「穂樽さんは言いにくいだろうから私は水無ちゃんで。能力もだけど、明るくて可愛いのはいいわね」
続けて竹谷も口を開き、名前を出したのは富田の妹であり、アーニャがんばるます部隊で68期の富田 水無である。魔術師は総じて真面目に考えすぎるところがあるので、性格的に楽観的な所は長所になることが多い。もちろんそれだけではなく、能力も高いというのはいうまでもないであろう。
「その3人がやはり抜けてると思うわ。あえてもう1人を上げるなら芽衣奈ちゃんになるのかな」
「最近体調悪そうなのが気になるけどね」
最後に富田が弟の富田 正継の彼女であり秀知院学園生徒会部隊で63期の新熊 芽衣奈の名前を口にし、それを聞いて竹谷が思っていることを口にした。この後は今名前が出てきたメンバーたちに負けないように誓い合った竹谷と鈴木、北が鍛錬を開始するべくベンチから腰を上げたので、それを見つめて軽く笑顔を受かべていた富田も鍛錬を再開する事にしたのである。
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