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1998年6月26日(金)

【熊大第1迷宮:勇者王ガオガイガー部隊】
「俺は天才だー、覚えとけふひゃひゃひゃひゃ」
「やっとクリアできたー」
 目の前で消滅する天才を見つめながら木寺 菜穂美が大きく息を吐きながら言葉を発した。ここは熊大第1迷宮地下2階。本日も勇者王ガオガイガー部隊は地下2階のボスである天才と戦いにやってきていた。そして3回目のチャレンジでやっと戦闘を拒否されたのである。これは地下2階のクリアを意味し、地下3階に降りる権利が与えられるのだ。
「結構時間かかったわね」
「俺のせいですかね」
 後衛の部隊の場所に移動しながら下里 由理子が発した言葉を聞いて、羽田 晴信が申し訳なさそうな表情を浮かべて、このように口にした。勇者王ガオガイガー部隊は16期と17期で構成されており、戦士の木寺、下里、罠解除士の岩川 真悟、僧侶の稲見 正一郎が16期、戦士の羽田と魔術師の板野 幸美が17期生である。戦士3人が全員16期の勉強はもうコリゴリダー部隊とカイジさんごめん部隊がかなり早い段階で天才をクリアできていたので、今か今かと待ち構えていたのである。ただ、別にこの部隊のメンバーは探索を急いで行う使命感を持ったようなメンバーではないので、非常にマイペースで探索を行うことに異論はない。
「羽田くん17期だから仕方ないよ。頑張ってる方だと思うよ」
「そうそう、私たちと結構互角になってきたからね」
 木寺と下里がフォローの言葉をかける。将来的に長い年数が経てば1期の差は大したことなくなるが、この時期の1期の差はまだ非常に大きいのである。その状況で羽田は鍛錬を熱心に行い、かなりの実力をつけているのである。
「で、どうしようか。ちょっと地下3階行ってみる?」
「多分俺サラダバーの部屋の扉開けれると思うんだよね。試してみたい」
 全員を見渡しながら発した木寺の言葉に、岩川が地下3階ボス部屋の扉の罠解除を試したいと提案する。そのことについては全員特に異論はない。
「じゃあちょっと行ってみますか。本鬼だけは気をつけるように」
 そう言って木寺を先頭に地下3階へ降りる階段方面へと向かった。結果、サラダバーの部屋の扉に辿り着くまでに結構な回数の戦闘をこなしたが、本鬼とは遭遇しなかった。また、岩川の罠解除チャレンジは成功したので、次回からサラダバーと戦う権利は獲得して、本日の探索を終えた。

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