1998年7月4日(土)
【道:前田 法重・中島 一州・原田 公司・富田 剛・大塚 仁・本田 仁】
「そういえば今日中尾は?」
「あ、何か華ちゃんがちょっとお熱出したみたいなので、今日は欠席でって言ってました」
乾杯の後、本日中尾 智史がいない件について前田 法重が尋ね、事情を知っている大塚 仁がそれに答えた。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客で賑わっている。いつもであればこの土曜日の飲み会に参加する中尾だが、まだ0歳児である愛娘の華が発熱したので、流石に楽しくお酒を飲む気にはなれないということだろう。
「何やあいつ、娘の発熱と俺らとの飲み会どっちが大事やねん」
「100-0で華ちゃんでしょう」
もちろん冗談であるが、原田 公司が非道な発言をし、当然とう表情を浮かべて本田 仁が突っ込みを返した。
「まあ子供の病気の時は仕方ないよ。一州さんも富田と大塚もそういう時は気にしなくていいですからね」
中尾がいないのは多少寂しくもあるが、家庭を持ち、子供までいるメンバーには無理は言えないのである。
「うちの瀬名はあまり病気しないんですよね。いつも機嫌良いし。まことも言ってたけど他の子と比べると結構楽だって言ってました」
「穂樽は病気は結構するんですけど、それ以外はあまり手はかからないですね。いつも大人しくしてます。嫁に似たかな」
お互い1歳の娘がいる大塚と富田 剛が自分の家庭の事情を説明する。子育てはもちろん大変だが、よその子の話と比較するとあまり手はかからないようである。
「うちは3人いるから毎日戦争だよ」
原田にビールを注いでもらいながら中島 一州が口を開く。中島は男の子2人と女の子1人の3人兄弟で、毎日元気はつらつで家中を走り回ったりしているのである。
「元気そうで何よりですよ」
優しい表情で前田はこのように口にし、コップのビールを一気に開けた後、本田に注いでもらった。