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1998年7月3日(金)

【寿理庵:井上 貴志・栗原 慎・松 美由紀・飯島 志保・中村 瞬・島津 亮二】
「ではでは今後も頑張って行きましょうと言うことでカンパーイ」
「カンパーイ」
 大きな声で井上 貴志が乾杯の音頭を取り、それを聞いて全員が乾杯と叫び合った。ここは居酒屋『寿理庵』。本日絶対運命黙示録部隊のメンバーは、午前中鍛錬の後集合し、まずは『南地区レストラン』で一緒に昼食を取った。その後街に移動し、通町電停近くにある大劇ビル3階のボウリング場『スポルト』でボウリング勝負を行ったのである。井上、松 美由紀、中村 瞬のチームと栗原 慎、飯島 志保、島津 亮二のチームで勝負を行い、結果は栗原のチームが接戦を制した。負けた方が勝った方に飲み代を奢る約束をしていたので、本日の飲み代は井上チームが出すことになっている。どこで飲むかは軽く考えたが、大劇ビルの中に『寿理庵』があるので、そこで飲むことにした。ただ、ボウリングが終わった時間が少し早かったので、横にあるゲームセンター『パーツボックス』でしばらく時間を潰し、今に至るのである。初めは全員生ビールで乾杯し、2杯目からは各々好きなお酒を頼み始める。井上はそのままビール派であり、栗原はウイスキーのロック、松と飯島は酎ハイを頼み、中村は冷酒、島津はいも焼酎の水割りを頼んだ。結構早いペースで飲み進めてしまったので、全員結構良いが回って来たようであり、井上が普段気になっていることを口にし始める。
「飯島さんってめっちゃ可愛いけど彼氏いるの?」
「えーいないですよ」
 質問を聞いて、飯島が笑顔で答える。めっちゃ可愛いと言われたことは素直に喜んでもいいだろう。
「松ちゃんは?」
「まあ志保ちゃんがいないぐらいですから私もいないですかね」
 自分には可愛いと言ってくれなかったのが多少不満だったようで、松がそっけなく答える。
「ほおほお。瞬は彼女いるんだっけ」
「えっと、一応彼女っぽい娘はいます」
 彼女っぽいというのはどういうことなのか酔っている頭では良く理解できなかったが、中村の言葉に納得する。
「亮二は?」
「俺はいないですよ。高校卒業するときに別れたので」
 いないのじゃなくて、いたってことなのかと理解する。まとめるとこの中で今恋人がいるのは中村だけということになる。
「あ、俺と慎も彼女いないからよろしく」
 人に聞くだけ聞いて、自分のことは言わないのはフェアではないと思い、井上は栗原の事も合わせて全員にきちんと報告した。

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