1999年8月7日（土）

【道：前田　法重・中島　一州・原田　公司・大塚　仁・中尾　智史・本田　仁】
「にしても今日も暑かったですね」
「そのおかげでビールが美味いから良し」
　今日の天気について原田　公司が言葉を述べて、それに前田　法重が返事を返した。ここは居酒屋『道』。本日もたくさんの客が美味しい料理とお酒を楽しみに来店している。前田とお付きのメンバーたちもいつものように飲み会を行っており、現在開始から30分ぐらい経過した所である。本日の熊本地方は午前中に雨がある程度降ったが、午後は晴れており、気温としては32度ぐらいまで上昇している。本日原田は妻の原田　美樹と一緒に天草まで海を見に行っており、午前中は雨だったとは言え、午後は存分に日光を浴びて帰って来ているのである。ただ、先程暑かったのでビールが美味いと発言した前田は、中島　一州や本田　仁と一緒に朝からパチンコ屋に行っており、クーラーの聞いた店内にいたので、本当はどれぐらい暑かったかというのは体感していないのである。
「銀行が倒産するのも熱いからですかね」
「関係ないと思いますが、また倒産しましたね」
　不景気な話題を大塚　仁が述べて、それを聞いた中尾　智史が感想を口にする。昨日からニュースで流れているのは昨年福徳銀行となにわ銀行が合併して出来たなみはや銀行が経営破綻したいう話題である。バブル崩壊以降、銀行や証券会社が破綻したという話題にはだいぶ慣れては来ているが、やはり改めて発生すると不景気感をさらに感じてしまうのである。
「ずっと不景気のままなんですかね」
「経済の原則から行けばそんなことは無いとは思うけど、不景気がずっと続けばそれはもう不景気ではなくてそれが普通になるよな」
　素朴な疑問を中尾が口にし、それに本田　仁が真面目に返事を返した。バブルが弾けてから日本経済はずっと不景気だと言われ続けている。もちろんまたバブルみたいな狂った景気は来ないとは思うが、普通に景気が良い日本に戻って欲しいと何となく考えている面々であった。