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2024年8月23日(金)《GB》

《思い出補正もあって昔のPCゲームは面白かった。デュアルダンジョンはハイドライドⅡ。懐かしい》
【熊大第1迷宮:燃える闘魂安らかに部隊】

「兄より優れた弟など存在しねえ」
「あ、終わった」
 目の前に現れたどさんぴんが捨て台詞を残して消滅していくのを見ながら桜井 洋が言葉を漏らした。ここは熊大第1迷宮。燃える闘魂安らかに部隊は本日もどさんぴん戦を行うために地下5階を訪れている。先週までに吉川 亜季と田口 亮介はどさんぴんをクリアしていたので、本日は桜井がクリアするのを皆んなで見届ける予定であった。すると予想に反して1回目のカエル彫像移動で、どさんぴんは先程のように戦闘を回避したので、本日1度も戦うことなく桜井はクリアとなったのである。
「おお、桜井くんおめー」
「洋、やっとやな」
 後方から吉川と田口の祝福の声が聞こえ、罠解除士の小森 真由、僧侶の加納 洋平、魔術師の米田 楓もサムズアップで祝福を表してくれている。それに対して桜井もサムズアップを返しながら部隊の場所へと戻って来た。
「さて、いきなり桜井くんクリアしたけど、どうする?まだ帰らんよね」
「ちょっと地下6降りてみますかね」
 さすがにこの状況で探索を終えるのは尚早だと感じた吉川が全員に質問し、代表して田口がそれに返事を返した。この意見に全員が賛成したので、初の地下6階探索に入ることにする。どさんぴんの部屋から出て再度エレベータに乗り、小森の操作で一つ下の階に移動する。無事に地下6階に到達することができたようだ。
「これがデュアルダンジョンか」
「確かに地下5階と同じですね」
 エレベータを降りた後で、吉川が言葉を漏らし、それに桜井も感想を続ける。第1迷宮の地下5階と地下6階は迷宮の作りが非常に酷似しており、これはマニュアルにも記載してある。マニュアルでは、この造りのことをデュアルダンジョンと呼称してあるので、それが冒険者たちの間では正式名称となっているのである。
「やはり罠はまだ無理そうです」
 エレベータ隣にあるボス部屋の扉の鍵を、小森が先程から解除していたが、まだ解除は無理であるという報告をする。これを聞いた吉川は軽く頷いた後で、全員に声をかけた。
「じゃあ少し彷徨きますか」
 この後は地下6階のエレベータからあまり離れない範囲で亜獣を狩ることにする。結果遭遇する亜獣があまり強くなかったこともあり、3回程戦闘を行って、ほぼダメージを喰らうことなく探索を終了したのである。

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