2024年9月19日(木)《GB》
《朝から出勤していると街中はカラスの大合唱。その下には生気なく往来する人間達。元気なのはカラスだけ》
【下通り:秋野 康臣・三矢 義英】
「すげーカラス泣いてる」
「ゴミが散らばってるのが良くないな」
朝の空にこだまするカラスの大合唱を聞いて秋野 康臣が言葉を漏らし、それを聞いた三矢 義英が考えを口にした。ここは熊本市街の下通り。時間は8時半を少し過ぎた時間であり、仕事に向かう人や、はたまた仕事から帰る人たちがどんよりと街を歩いている。秋野と三矢は本日の大学の講義が休校になったため、朝からスロットでも打とうかと街にやって来たのである。2人は熊大の1年生であり、自宅は白川中校区にある。大学へはバイクで通っているが、本日はスロットの後で飲みに行こうと考えているので、バイクではなくバスに乗って街まで移動し、通町筋のバス停でバスを降りた。そして下通りを歩き、現在は銀座通りとの交差点で赤信号待ちの状況である。銀座通りは車が通れるので、道沿いに飲食店のゴミが出されていることが多く、それをカラスが撒き散らしていることが多々ある。この状況だとカラスがカラスを呼んで、ゴミは散乱するはカラスの鳴き声はうるさいはで非常に宜しくない。だが、道ゆく人がそれを片付けるはずもないので、ゴミは散らかったままなのだ。
「まあ仕方なし」
信号が青に変わったタイミングで秋野が言葉を漏らし、銀座通りを横切っていく。この後は『やよい件』で朝食を食べて、新市街にあるパチンコ屋『123』の入場整理券を受け取りに行く予定だ。配布時間は9:30なので、朝ごはんをゆっくり食べる時間はある。歩いていくと程なく左手に『やよい軒』が見えてきたので、店内に入り食券を購入する。パチンコ前に食べる朝食は2人ともいつも目玉焼き朝食に決めているので、サクッと食券を購入し、テーブル席へと座った。
「何打つかね」
「抽選によるよな」
この後のスロットについての話をしながらのんびりと朝食を楽しみ、抽選時間に合わせて店を後にした。ちなみにこの2人は71期冒険者試験に申し込んでいる。冒険者にはスロット好きな人間が多いのでこの2人はもしかしたら才能があるのかもしれない。
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