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闘病記#5 紹介状を持って

4月6日に婦人科に紹介状をもらい、なんとかマインドセットして、10日には総合病院へ向かった。

産婦人科の中でも専門がわかれていて、腫瘍内科専門医師が診察することとなっていた。
「腫瘍内科」という字面が、私の目に飛び込んできて、改めてショックを受ける。
そりゃそうだよね…。
白いモコモコって腫瘍だよね。

診察室に入ると、ここで診察を受けるに至った経緯を説明するように言われ、一通り説明した。
先生は部長という役職なので、大層お偉い感じなのかと勝手に想像していたが、非常に物腰が柔らかく丁寧に話してくれる。

超音波検査をするため、いったん部屋を出て、隣の検査室に入って待つように言われたので、室に入り、服を脱いで準備を進めていると、隣の部屋から先ほどの先生の声が聞こえてくる。
患者さんに「お久しぶりに会うことができて、私は今日嬉しいです」と話している。

なんだかよさそうな先生だ。
医者といえば、機械的、事務的な会話だけしかしない人が、私の経験上では多かったから、意外だった。
思えば、白いモコモコがあるって言ってくれた先生も、患者としてというよりは対人間として扱ってくれたな。

超音波検査の結果、左の卵巣に7.5センチほどの腫瘍があるとあっけなく告げられた。
あれ?町のお医者さんには、右の卵巣って言われたんだけど。
超音波検査では、よくあることらしいが、とにかく左の卵巣だとのことだった。

先生は、「できることをどんどん進めていきましょう。MRIの予約を入れます。あ、ちょうど明日あいてますね。入れますね。MRIはなかなか予約を入れるの大変で1か月後とかになるんですけど、ちょうどいいですね。」

そういわれて、私って運がいいなと思った。

町のお医者さんに白いモコモコと言われた時点で大泣きしていたので、今回は涙を流さずに済んだ。
でもまだ、自分ごととして受け止めるにはリアリティがないような気もした。

翌日にMRIを撮って、その2日後に、転移状況を見るためCTの撮影。
幸いにも転移は見られないとのことだった。

先生は、「できることはどんどん早くやりたいので、5月1日に手術の仮押さえをしました。なので、そんなに心配しなくて大丈夫ですよ。」と言ってくれた。

とりあえず、手術ができるということはありがたい。
あとは、すべてを先生に任せよう。

2週間は、通常通り仕事をした。
上司や部下には一人ひとり状況を説明した。
部下は、みんな20歳から30歳代。
私の突然の報告に、どうリアクションしたらよいのかとまどっている感じであった。
チームのマネジメントをする私が休むなんて、なんだか申し訳ない。
上司は、「自分がいなくても仕事は回ると思って、とにかく体優先して治療に専念して。」と言ってくれた。

不思議なもので、病院に行くまで患部に痛みなんて感じなかったのに、急に常に下腹部の左脇が痛むようになってきた。

手術までが待ち遠しい。
毎日を指折り数えて待つような日々だった。


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