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キャバ嬢が黒服を好きになった話②


①のつづきになります。

それから数日経ったある日、店長から同業に誘われ
ました。この前のヤリチン店長のお店に同業返しに
行くのと、そのお店のNO.1のマリカさんのバー
スデーが近いので前祝いに。

ヤリチン店長のお店=イケメン君がいるので、私の
答えは即答でイエスでした。その時隣で聞いていた
うちのNO.1のレイちゃんも『なになに?アイち
ゃんの言ってた噂のイケメン??私も行ってみたー
い!』と一緒に行くことに。
レイちゃんとは仲も良く、男のタイプも全く被らな
いし、ヤリチン店長との関係もないので安心でした

私たち3人はお店を早く閉め、ヤリチン店長のお店
へ。

店に入るなり店長が『俺がマリカちゃん指名で、ア
イちゃんがユウ君指名ね。笑』と言い、冗談だと思
い笑っていたら本当に私の隣にユウ君が座りました。

※ホストクラブではないので本来黒服の指名はあり
ません。全て店側のノリです。

NO.1のマリカさんもびっくりして『ユウ君指名
のお客様は初めてだよー!ほらユウ君しっかり接客
して!』と笑っていました。

マリカさんと直接話すのも初めてで、隣にはユウ君
で私はまた固まってました。

そこにヤリチン店長も来て『ちょっと待った!!ア
イちゃんこないだ俺といい感じだったじゃん!!ど
ういう状況!?』と割り込んできました。すかさず
レイちゃんが『あんたは呼んでないからー!』と突
っ込みをいれ少し気持ちが和らぎました。

そしてユウ君は『この前は店長がご迷惑かけてすみ
ませんでした。』と私に話しかけてくれたので私も
何か話さなきゃって思ったんですが、お客様との接
客のように上手くいかず『いえ・・全然。』としか
言えませんでした。

見かねたレイちゃんが私とユウくんの話を盛り上げ
ようと頑張ってくれてなんとかお互い笑ったりする
くらいには慣れてきました。私は何度もレイちゃん
に心の中でお礼を言いました。

『何で僕を指名なんですか?』とユウ君に聞かれ、
勢いで『かっこいいなと思ってたので。』って素直
に答えました。

するとユウくんは顔を真っ赤にして、近くにあった
おしぼりで顔を覆って恥ずかしそうにしていました。

そのおしぼりはテーブルに落ちたタバコの灰を拭い
たあとのおしぼりだったので顔が灰だらけになって
しまい、更に真っ赤になってました。笑

店長が『アイちゃんが出勤増やしてもっと頑張るな
らユウ君とLINE交換していいよ。』って言って
くれたので即交換しました。笑

そしてレイちゃんが『記念に写真撮ってあげる』と
言って撮ってくれたユウくんとの2ショット。何年
経った今でも宝物です。

その日を境に私とユウ君の距離はぐっと縮まります
。出勤する私を見かけると『今日は出勤早いですね
、頑張ってください。』や、仕事が終わると『お疲
れ様です。』と毎日LINEをくれました。

きっとうちの店長が何か言ったんだろうな~って思
ってました。私を毎日フルで働かせる為に・・・笑

ですがユウ君は、お店の浴衣イベントやコスプレイ
ベントがあると『シャンパンの在庫無くなったんで
貸してください~。』とか何かしらの理由つけて見
に来てくれました。ユウ君が来るたびきゅんきゅん
していました。

それから、ヤリチン店長たちと同業で飲みに来てく
れるときも私を指名してくれました。お店側も、女
の子達も公認って感じだったのでみんなで仕事終わ
り飲みに行くって時も絶対ユウ君も呼ばれて帰りも
一緒でした。

そんなある飲み会の帰り、タクシーの中でユウ君か
らキスされ付き合うことになりました。

このころの私は浮かれていたけど、ユウ君がいたか
ら仕事も順調で指名のお客さんも増え、ありがたい
ことに毎日同伴出勤になっていました。

そして恋も仕事も絶好調の私は、次第に何も大事に
できなくなっていきます。

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