大好きだった人の話
大好きだった人の話を残しておきたいと思う。
片思いでおわった人のお話。
すでに時間が経っているが、私にとってはとても大切な感情なのでまだ何とか記憶のあるうちに綴っておきたい。
私の中で恋愛において忘れられない人は3人いるのだが、この人はそのうちの一番初めの人。
その人とは大学のサークルで出会った。
同じ学年だけど学部も違ったし、特に何とも思ってなかった。
そんな感じだったが、その人への感情は夏の合宿で一変した。
合宿の日の夜、たまたま一緒に居た友人がどこかへ行き、部屋でその人とふたりになった。
最初は他愛もない話をしていたと思うが、
友人はいつまで経っても帰ってこず、
色々と話しているうちに私の悩み相談に発展していった。
当時私は自己肯定感が今以上にとても低く、自分に自信がなかったのだが、そんな話をするとその人は「人は人、自分は自分。それに俺はそうやって頑張ってる◯◯(私)をみて頑張ろうって思えるよ」と声をかけてくれた。
変に慰めるでもなく、持ち上げるでもなく、
単に私を1人の人として肯定してくれて、
ふわっと包み込まれるような言葉に心が軽くなったのを覚えている。
同時に心ももってかれた。
だけど当時その人には高校時代から付き合っている彼女が居て、必死に好きになっちゃだめだ!と言い聞かせていた。
彼女のことをすごく大切に思っているその人を
略奪する気もなく、完全に好きになりかけつつも必死に抑える状態が続いた。
そしてその頃、私も別の方から告白されて
その人を忘れようとお付き合いをした。
私は好きになると一直線にその人しか見えなくなるため、別の方とのお付き合いが上手くいくはずもなく、結局すぐにお別れすることとなった。
別れて少しした冬、その人が彼女と別れたことを知った。
正直に舞い上がってしまった。
別れるまではそっと見守る、と決めていたのだが別れたことをきっかけにご飯に誘った。
当時の私は超恋愛初心者、経験値も低く
恋愛の進め方が分かっていなかった。
数ヶ月にわたり数回ご飯に行き、その後その人から少し遠出でドライブでも行く?と誘ってくれたのだが、丁度予定が入っていた私は何と別日を提案することなく断った。
本当に大馬鹿野郎。
過去の自分に変わってすぐにでも別日を提案してドライブへ行けと言いたい。
そこから少しずつ、彼の態度が変わっていった。
何かLINEしてもそっけない。
前より誘いに乗ってくれない。
嫌な予感がしつつも諦められず時々LINEをして何とか次に繋げようとしていた。
そんな風にしてしばらく経った頃、
誰から聞いたかも覚えていないが、その人が私と同じ学科の子と付き合ったと聞いた。
恐らくその人を好きになってから1年ぐらい経っていたと思う。
それからは涙の日々だった。
向こうから告白してこなかったということは、私のことを好きではなかったのはわかっている。
だけどそれでも私が振り向かせる!ぐらいの強い気持ちでいれば叶う可能性はあったはず。
そんな気持ちで毎日ぐるぐるしていた。
散々泣いた挙句、最後にせめて想いだけでも伝えようとしたが、伝えることすら向こうはさせてくれなかった。
彼なりの優しさだったのかもしれない。
結局、その人の失恋も新たな人を好きになりゆっくりゆっくり浄化していった。
失恋にフォーカスしてしまったが、わたしはこの人との失恋話を書きたかったのではない。
わたしは彼を人として尊敬していた。
今も尊敬している。今まで出会った人の中で一番尊敬している人だ。
彼は自分の芯を持っている人だった。
それでいて、その芯を人には強要しないし自ら大っぴらに話すこともなかった。
だけど聞けば楽しそうに自分のやりたいことを話してくれる人だった。
そして人に対して優しかった。
優しいというのは、受容力があるということ。
これは先程の話でも出てきた通り、どんな人も受け入れる懐の広さがある。
彼はいい意味で自分は自分、他人は他人と切り離せる人だから、ありのままのその人を受け入れられる強さがあるのかもしれない。
私は自分の当たり前を他人もそうだと思ってしまうあまりよくない思考癖が少々あるため、本当に尊敬している。
自分に自信のない私だけれど、彼が言ってくれた「頑張ってる◯◯をみて俺も頑張ろうと思えるよ」という言葉は、その時から何度も私の支えになっている。
初めて大好きになった人、
初めて失恋を経験させてくれた人、
そしてこんなに尊敬させてくれた人
わたしにとって大事な人なのは今も変わらない。
いつか出会える時があれば、そのときはかっこいい自分でいたいな、とふと思い出した、そんな感情をここに書き留めておきます。
おわり
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