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アニポケにおける「W主人公」とは

〇概要

今回の語りのテーマはこちら!

アニポケにおける『W主人公』とは

アニポケの主人公といえばサトシ!と考えがちですが、そうとも言い切れない事情があるようです。主人公とは何か、改めて考えてみましょう!

〇サトシの旅仲間

サトシはアニポケの歴史においてほとんどの時間を仲間と共に過ごしてきました。

無印のタケシ、カスミに始まり
AGのハルカ、マサトwithタケシ
DPのヒカリwithタケシ
BWのアイリス、デント
XYのシトロン、ユリーカ、セレナ
SMのカキ、マーマネ、マオ、スイレン、リーリエ
新無印(JN)のゴウ

〇もう一人の主人公

この旅仲間の中には公式から主人公と位置付けられているキャラクターがいます。具体的にはDPのヒカリと新無印のゴウがそれにあたります。

また例外としてXY特別編「最強メガシンカ」の主人公であるアランももう一人の主人公として扱われる場合もあります。

〇主人公の判断材料

どこで公式から主人公と位置付けられてると判断するかというと非常にシンプルで各シリーズのOPの文言です。アニポケのOP(無印~XY)にはアニポケの概要を紹介する文言が置かれています。

例:この物語は少年サトシとポケットモンスターとの友情と冒険のお話である(無印)

・DPの場合

DPの文言に注目すると 「サトシとヒカリとポケモンたちの出会いと冒険と戦いの物語がはじまる!」とあります。AG、BW、XYの文言にはハルカ、アイリス、セレナが含まれていないことからヒカリと他のヒロインは明確に位置付けが異なります。

・新無印(JN)の場合

新無印(JN)は少し特殊ですが、OP後に文言が入ります。

「最強の王者ダンデとのバトルを目指すサトシ。全てのポケモンをゲットし、ミュウにたどり着くという夢を持つゴウ。これはそんな二人の日常と冒険を描く物語である。」

文言の中でサトシとゴウが並立しており、両者のどちらかに重みづけされていません。

・XYの場合

アランは特別編の主人公なのでこのような文言が入りません …というより、本編基準で考えたらこの時点でアランは主人公格ではありませんね。Z編のOPでサトシ陣営と対立して置かれていたように、アランは別軸だと考えられます。位置づけとしてはサイドストーリーで主人公を務めたヒロシに近いと思われます。

〇サトシが(ほぼ)登場しない回

アニポケ史を振り返ってみると実はサトシがほとんど登場しない回というのもあります。代表例は以下の二つ(ロケット団回は基本的に短めですがSM73話は特にです)

DP1話 旅立ち! フタバタウンからマサゴタウンへ!
SM73話 ロケット団の島めぐり!?Zリングをゲットせよ!!

・視点の所有者

これらはそれぞれヒカリ視点、ロケット団視点で物語が進められていきます。特に映像作品においては物語における「視点」の所有者というのが「主人公」の大きな要件です。ロケット団もアニポケで度々視点の所有権を持つため見方によっては主人公といえるでしょう(ルギア爆誕の名言にも表れています)。

〇サトシが完全に登場しない回

しかし前置きしたようにこれらは(ほぼ)登場しなかった回であり終盤でサトシに視点が移ります。本編での完全な視点の委譲は行われていませんでした…JN32話「セレビィ 時を超えた約束」までは。この話はゴウがトキオと出会う回想がメインでサトシが本編で映らない初めての回です(間違ってたら教えてください)。

〇「主人公」の再定義

ここまでは形式的な部分に触れてきましたがもう少し内容的な部分から考えてみましょう。その為に「主人公」という言葉を改めて定義してみます。

私はアニポケにおける主人公は「行先の決定権を持っている人物」と定義できると考えます。

「行先の決定権」は「視点の所有者」に近いですが、より能動的な意味を持たせた概念です(視点は受動的)。

これまでのサトシの旅を振り返ったとき、多少の例外はあれどほとんどの場合サトシの意思を基に行先が決定されていたはずです(タケシはナビゲーター)。

・ヒカリは「主人公」?

この観点から考えるとDPのヒカリは位置づけとしては確かに主人公なのですが、「行先の決定権」はほとんど行使できていない印象です。コンテスト会場に立ち寄るのはハルカやセレナなども同じですし、ケンゴに旅に誘われたときもサトシの行先に同行することを理由に断っています。

・冒険にLet's GO!

一方でゴウは「行先の決定権」を行使する場面が多々あります。 「〇〇な冒険にLet's GO!」の音頭をとって目的地に向かっていくのが特にリサーチフェロー型のストーリーのテンプレです。

・本当のW主人公

以上のことを踏まえて、私は形式上・内容上両面を考慮した上で、本当の意味でのW主人公はゴウのみと言えると思います。ゴウはJNの象徴であり、飾りではなく実質的な主人公。JNは今までの焼き直しではなく革新的な取り組みをしたと言えるでしょう。

〇総括

今回はアニポケにおける「W主人公」について考えてみました。主人公とは何か?という深めの話まで行きましたがなんとか迷子にならず語れたかなと思います。

最後に、この語りはマシュマロを基に考えました。質問者の方にこの語りが届いていれば幸いです。ご清聴ありがとうございました。
(了)

※追記

語りでは触れませんでしたが、「新無印はゴウばっかり目立ってる!」と言っている人の多くがこの「行先の決定権」をゴウが行使することに不満を持っていたのではないかと推測しています。

視聴者がサトシがリードする物語に慣れていたというのもありますし、本当の意味で「W主人公」体制を受け入れることができていないのかもしれません。新無印における「W主人公体制」の是非については別の機会に語りたいと思います。

※語りのネタ募集

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