よっちゃん

整形外科を専門とし股関節と仙腸関節障害と抗加齢医学に興味がある医師です

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最近の記事

仙腸関節障害のその他の治療

仙腸関節障害に良いこととして、ハムストリング(大腿の後面の筋肉)のストレッチ体操、体幹を鍛える体操があります。座位での仕事が多い人は座る時の姿勢を踏ん反り返るのではなく、骨盤を立てた浅い座り方が良いとされています。 仙腸関節に体外衝撃波を当てて神経終末を破壊するという痛いけれども効果のある治療もありますが、保険適応でさありません。

    • 仙腸関節障害の治療

      仙腸関節障害の治療としては、まず仙腸関節障害のズレを正すために徒手整復を行います。仙骨に対して腸骨を押し込みながら外側に開くように力を入れて整復します。ズレている人ほどこの整復操作を痛がります。整復されると今まで出来なかった股関節の外旋の動きがスムーズにできるようになります。この整復されて仙腸関節がはまり込んだ状態を維持するためにサポーターを装着します。整復操作のみで痛みがまだ残存する場合には仙腸関節の後方靭帯にステロイド(強い炎症を抑える薬剤)を局麻剤とともに注射します。

      • 仙腸関節障害の診断

        仙腸関節障害の診断には、まず患者さん自身にどこか痛いか指し示してもらい、仙腸関節を指しているか、鼠径部痛を訴えているか?仙腸関節に圧迫を加えるテストで痛みが誘発されるかなどがまず調べます。レントゲン画像で、仙腸関節の異常がない場合もよくあることで、鼠径部痛があっても股関節の関節裂隙(軟骨の厚み)が狭くもなく、臼蓋形成不全(股関節の屋根の被りが少ない日本人に多い骨形態)があっても軽度で腰椎の側弯症(まっすぐでなくS字状に曲がっている状態)があることはよくあることです。

        • 仙腸関節障害の症状

          仙腸関節障害の症状として鼠径部痛があります。股関節疾患の痛みの位置とは少し違います。大腿部外側の痛みや臀部痛や坐骨部痛、場合によっては下腿(すね)の方にも関連痛を感じます。  長時間座った後の立ち上がりの痛み、階段の上りの時の痛み、足が前に出ない、股関節を外旋出来ないなどがよく訴える症状になります。

        仙腸関節障害のその他の治療

          仙腸関節障害か起こる原因

          仙腸関節は人間が2足歩行するために極めて重要な関節です。  仙腸関節は以前述べたように半関節で仙骨側にゆるやかな凹みと腸骨側のゆるやかな膨らみで連結しています。深い嵌合(かんごう:はまり込み)ではない分、後方が強靭な靭帯成分で支えられています。  転倒や交通事故などの強い外力が加わったり、ゴルフのような腰を捻る動きを繰り返し行ったりすると仙腸関節のわずかなズレが生じます。背骨の曲がり(思春期側弯症や変性側弯症など)や股関節疾患(臼蓋形成不全や変形性股関節症や関節唇損傷やFAI

          仙腸関節障害か起こる原因

          仙腸関節障害由来の鼠径部痛

          股関節を専門として整形外科の外来をやっていますが、最近、仙腸関節障害に起因した鼠径部痛をよく見受けます。 仙腸関節は仙骨と腸骨を連結する半関節です。関節といっても肩、肘、膝、股関節などのような可動域(動く角度)はありません。少し回旋するだけですが、固定された状態では、足を前に振り出すことが出来ず、二足歩行するために、仙骨と仙腸関節が大きく進化したそうです。 歩く時に加わる応力は椎間板(椎体と椎体の間のクッションとなる線維軟骨)よりも約3倍大きいとされています。

          仙腸関節障害由来の鼠径部痛