多摩川の生き物とヒト 水系 その22 都民の森 22/06/10
都民の森は1985年に静かな三頭山の中腹に計画された自然や林業を知るための施設である。造成中には豊かな森を伐採し、人工の森林館や舗装道路を造ろうとした。そのため、激しい反対運動が起きて、中止の要請が出たのにも拘らず、1990年に工芸館などの建物と同時にできた。案の定、完成してから2年後の1992年には大規模な土砂流失を起こして、施設が破損した。開設してからも、林業などの啓発よりも、手前の駐車場で休憩する人達がほとんどという結果になっている。外国のように、進入路は1本だけならば、施設に入り、勉強をしてからでないと出られないようにしたほうがいいだろう。また、標高1000mでどうして木工を扱わなければいけないのか。
今後は東京都で遅れているSDGsのためにも都民の森を桧原村の途中に移転させたほうがいいだろう。また、人里(へんぼり)に産業廃棄施設を造る計画があるが、土地を買収し、そこに移してもよいだろう。もう一度言おう。都民の森は三頭山にいらない。無くすか、桧原村へ移転させるべきだろう。登山をする人にとって、都民の森があっても、なくても困らない。山は道があるのだから。
この問題の都民の森へ久しぶりに言った。下界の青梅あたりが30度くらいで、都民の森は20度くらいで涼しい。天気が悪く、ガスが出ていたが、山々が雲に覆われていて美しかった。葉の雫、ガス、光など、自然の何気ない様子が美しい。山とはそういうものだ。三頭大滝までの道はウッドチップを敷き詰めたものである。歩きやすいが、山は落ち葉が積もり、自然のチップとなっている。山にはふさわしくない。帰りの奥多摩周遊道路で、カモシカの子供とニホンザルに出会った。何も科学的根拠はないが、サルは道の真ん中で、「ここは俺たちの縄張りだぞ」と威嚇しているようだった。
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