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多摩川の生き物とヒト その227 水系    HYBARIを見に稲城長沼へ。‘24/6/8      のち、府中へ

HYBARIとは空を飛ぶヒバリではない。JR東日本がトヨタらと手を組んで開発した燃料電池車輛。積み込んだ水素を空気中のO₂(酸素)と反応させて電気を作り、その電気で動く車輛。ディーゼルとは違い、走る時や電気を起こす時など、CO₂を出さないので、温暖化に役立ち、環境にやさしいというわけ。
正式にはFⅤE-E991と言う試験車で、鶴見線などで試運転していて、夜間に行うので見る機会も少ない。その試験車が稲城長沼駅で現れるという事で、ノコノコと出かけた。
恐らく、水素をイメージした青色の車体、架線があるのにパンダグラフがない、クーラーの脇に大きな水素のタンクが屋根に乗っている、などなど、少し変わった車両。ただ、まだ、水素ステーションが未発達で、しかも、積んでいる時は700気圧と高圧になっている。例の気球船が燃えたように水素は引火しやすいなどの課題を抱えている。

水素燃料電池開発車。
2両編成で目立つブルーをしている。
屋根上の水素タンク。
ここで水素と反応させる。蒸気機関車みたいに湯気を上げるそうである。

JR東海は廃油などをリサイクルした燃料を使ったディーゼルにしている。こちらは供給量の問題はあるが、既存の技術が使える。これから、水素か、バイオディーゼルかが発達してくるのかが決まってくる。ただ、水素の方が東京都とトヨタなどが手を組んでいて、オリンピックのような何やらきな臭さを感じる。小池知事が挨拶を言っていたが、選挙目当てもあるだろう。
HYBARIの見送りもせず、稲城長沼を後にする。そばを通るだけの稲城大橋を初めて渡る。橋の途中から下流の調布方面を見るとオオキンケイギクが点在している雄大な景色が広がっている。

稲城大橋から下流の調布方面を望む。道路はサイクリング道路。
下流で大きく、右岸へと蛇行する。
対岸の府中市。もうすぐ、調布市に入る。合流するのは北多摩一号水再生センターからの排水。
川原のオオキンケイギクの群落。
橋下では川原が広がっている。
反対側の府中方面。橋から奥多摩の山々が見えている。

橋を渡り切り、中央高速入り口付近からサイクリング道路へ転線。相変わらず、ヒトが多いバーベキュー場を抜け、レンリソウ保護区へ。保護区のレンリソウ等は刈り払っていないが、それ以外の場所は全て見事に刈り払われている。5月の自然観察会で見たクララカワラナデシコは無かった。さらにブロック製作場へ通じる道沿いにあったカワラナデシコを捜すと、刈られて横倒しになったナデシコを見つける。これから、刈り払いの時期を後にしたり、保護区を拡大するなどの保護策を取ってもらうよう要望したい。もっと早く意見を上げれば、刈られずに済んだかもしれない。自分の能力や後回し
にする性格が嫌になる。

北多摩1号付近の多摩川親水公園。下流には礫間浄化施設があった。
土手はチガヤに覆われている。
土手の芝生などに咲くカワラサイコ。バラ科
ヒトに踏まれたりするなど、変化が激しい所。ここでたくましく生きている。
府中市のバーべーキュ場
新しくできた大丸用水堰。下から水を採る。
対岸が取水口。ここから地下の水路が走り、今まであった水路と繋がっている。
レンリソウ保護区。ここだけが草刈りを免れている。
小段もきれいに草刈りが行われている。
刈り残ったカワラナデシコ。
土手の斜面を白く彩るテリハノノイバラ。

川の様子を見ながら、オオキンケイギクが一面に染まっている河川敷が気になり、再度、関戸橋で右岸へ転線。工事が一段落したのか、右岸の橋をくぐるサイクリング道路の一部は閉鎖中。
カワラノギクが生えている京王線橋梁近くの保護区を見ながら、関戸前へ。カフェと言う喫茶店があり、二子玉川らしい雰囲気。四谷大橋近くでやっと、河川敷にオギ原が見え、河川敷の先にはオオキンケイギクやハルシャギクが大群落となっている。これが日野市側にあると思って右岸に行ったが、河川敷ではなく、中洲にあった。大橋を越えた後、クララを捜したが、刈られていたが、また、生えてきた。
軽快に程久保川を迂回し、浅川を遡り、下る。景色が大きく変わった浅川の合流点に出る。根川を渡り、多摩川の堤防へ。カワラサイコが頑張り、道路脇に咲いている所を進んでいく。

四谷大橋の右岸で。土手に生えているクララ。刈られた後、生えてきた。
ハタザオ。このような草原を好む。
コマツヨイグサ。花が終わった後、赤くなる。
ネジバナ。一番身近な野生ラン。
草原を好む。
日野橋と中央高速の中間の右岸で。中洲を黄色くオオキンケイギクが染めている。
立日橋近くの右岸で。ハルシャギクがまとまって咲いている。荒れ地に多い。
立日橋から。中洲にヤナギやマコモなどが生えている。
第三紀層の地形が川底にある。
ホソイが放射状に広がる。
これも土手を白く染めている。
ワルナスビ。中央線橋梁付近で。ナス科。
抜こうとしても、トゲがあり、痛いし、なかなか抜けない。でも、実は黄色いで美しい。
ハナヤエムグラ。アカネ科。ヨーロッパ原産の外来種。
アカネ科。ワルナスビの近くで。
昭和用水堰近くで。田植えが行われていた。
永田橋下流左岸で。土手を白く染めている。
大きなテリハノノイバラ。

保護区の近くではハタザオが群生していた。保護区の中ではレンリソウ等があったが、花の姿は無かった。葉が黄色くなり、もう、そろそろレンリソウの季節は終わりそう。
日野橋近くではハルシャギクが大きな群落となっている。紫が終わったら、今度は黄色が河川敷などを染めている。
立日橋からまた左岸へ。中央線橋脚工事は終了し、やっと、落ち着いた。土手はワルナスビに白く被われている。
永田橋から五日市線鉄橋ではテリハノノイバラが群生し、ノイバラと違い、花が大きく、美しい。
多摩川の移ろいを見た一日だった。


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