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多摩川の生き物とヒト その117水系牧野富太郎と多摩展 23/05/29

多摩市にある多摩パルテノンで牧野富太郎の特別展が開かれていた。
このパルテノンは1000名以上収容の大きなホールがあり、昔、息子がコンクールで演奏した所。楽器などを運んだが、すっかり、道を忘れていた。
大きなホールではなく、牧野展は端のスペースで行われていた。
平日にも関わらず、多くの人がいた。展示は牧野博士の故郷、佐川の紹介や研究のきっかけなどから始まり、全国でどのくらい採集に行ったかも現されていた。
都内にも多く、採集に出かけた事が分かる。例えば、高尾山では34回も訪れていた事が分かる。


パルテノンでの特別展のポスター

牧野博士も注目した高尾山のフローラ(植物相)を解明するのに二人の人物が紹介されていた。一人は畔上能力さんで、もう一方は曽根伸典さんである。
曽根さんは観察会などで講師として招かれ、いつも杖を突きながら、元気に動き回る、にこやかな姿があった。
畔上さんは牧野博士と同じように、自分のお店を〇×△しそうになった。草屋はよく似ていると思う。しかし、長く、八王子のみならず、多摩の自然を守るのに尽力され、観察会でも、にこやかに説明されていた。今も現役だが、今年からパルテノン主催の講師を辞退したとの事。今後が少し、心配である。
牧野博士以後、標本の扱いや採集などの植物学がこれからに向けて2つの問題点がある。一つは高齢化で、若い人がいなくなってきている。植物学のすそ野を広げる人たちが少なくなってきている。
もう一つは東京都にこれだけ、予算があるのに、神奈川県の自然史博物館などの自前の博物館が無い事である。1997年の高尾博物館が閉館後、「高尾596」という施設ができたが、とても博物館とは言えない。
パルテノンの中には植物学の講座があり、標本を保管したり、調査している。このような働きを東京都まで広げていけないといけない。

牧野博士の業績や多摩での活躍が書かれている。

スペースの脇には多摩市による多摩ニュータウンの開発の歴史が展示されていた。開発にあたり、住民に説明していない点やこれ程の大規模の自然開発が行われ、自然破壊を招いたことをパネルでは認めてはいない。
やはり、同じ行政と言う事もあり、身内に甘いのか。
外で地域の学生が通るのを見ながら、こちらも見られているけれども、昼食をとり、帰った。





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