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多摩川の生き物とヒト その128 水系 鳴く虫を聞く会       23/8/26

多摩川の自然を守る会主催の8月定例の自然観察会が日野市石田で行われた。目的を追求して、鳴く虫を聞く会という。
降水確率90%の中、秋を感じる夕闇迫る多摩モノレール万願寺駅に集合。参加者5名。例によって、集合時間を間違えて遅刻。北川原公園で皆と会う。
根川は川面を漂っていた水草が無くなり、殺風景になったとの声。確かに、コンクリート三面張りの川となってしまった。それでも、アユがいて、ウキゴリもいた。川底には緑藻が生え、アユがかじった跡らしきのもあった。
堤防に上がる。夏の雲の主役、入道雲が湧き出ている。土手にはツリガネニンジンが咲き、やっと咲き始めたツルボもあった。四角、囲った保護区では実を着けたクララややっと坊主頭が出てきたワレモコウなどがあった。

根川の水面。アユなどがいるはず。
夏の雲。積乱雲。入道雲。やはり、発達が弱い。
層雲など、秋の雲も。
ガガイモ。堤防にあった。種髪という長い毛がついた種子を着ける。
メマツヨイグサ。多花なのはウイルスなどか、原因は不明。
クララ。良薬は苦し。
ツリガネニンジン。濃い紫のもある。
やっと出てきたツルボ。

下に降りるスロープ付近ではきれいなヒルガオが咲き誇っていた。さらにイタドリには葉を枕にした幼虫がいた。幼虫は糸で葉を軽く巻き、その中にいた。先日も、下見や視察でここを通ったが、こんな虫がいるとは思わなかった。だから、面白い。
池を見下ろすと、カルガモ達がいた。エビヅルが足もとに生えている。花や小さな実を着けていた。こんなに小さな実ならば、たくさん食べないといけないだろう。

ナガコガネグモ。ロープにうまく隠れている。
外来種?オミナエシ科か。
花の堤防を進む。
ヒルガオ。花をつまむと雨が降ると言われた。
何の幼虫だろうか。
トックリバチの巣。徳利の口が見える。
トックリバチの巣は小さい。
エビヅル。実は小さい。
ツリガネニンジンに巻き付いたエビズル、ガガイモ、クズ。
ハイメドハギ。メドハギの変種。地面を文字通り、這う。

浅川に出る道にかかる根川を渡る橋付近に着いた。ここでは根川沿いの桜並木やたくさんの実を着けたアオギリが伐採され、新しい橋ができることになる。右岸側の堤防が膨らむ。この堤防の終端の光景も大きく変わることになる。
終端から河川敷に降りる。川へ通じる草が茂っている小道を行く。左へ折れ、河川敷の中へ。クワやオニグルミなどが大きく成長している。やがて、ササでできた囲いがある所に出る。ヤブランが多く生え、誰かが人工的に植えた物とわかる。このヤブランの植え込みを抜け、ゴルフ場跡へ。

スズメガの幼虫。おとなしくしていなかったと言い訳をしておこう。

オオフタバムグラが点在し、カワラヨモギが群生している。一旦、河原に出たが、先のほうで河川敷に戻る道が分からないので、また、同じ道を戻る。夜を待つため、ここで夕食。匂いにつられたのか、アブラコウモリも出てきた。
カワラヨモギの下にはカワラサイコがあり、干ばつのため、花が小さくなって咲いている。シナダレスズメガヤの草原を抜け、ラジコン場跡へ。
途中の林ではオカメコオロギが鳴いていた。しかし、まだ、マツムシの声は聞こえてこない。「まだ、親になっていないのでは?」「暗くなっていないのでは」との声が。暗くなってからリーンとうるさいアオマツムシの声を避け、川べりの方へ虫屋のS氏が動く。すると、チンチロと速いテンポでマツムシが、リーン、リンとスズムシ、ルーーーーとカンタンが。「これで、生存確認ができた」とマツムシの音色を堪能した後、堤防へと進む。

雨雲の上に月が出てきた。
雲が美しい。
街の明かりが目立ち始め、虫達も鳴き始めた。

途中、エノキの大きいのがあり、虫を捜す。やはり、ゴキブリがいて、モリゴキブリだった。都心では知らない間にすばっしこいゴキブリが入ってきていることを思い出した。
雷を見たが、珍しく雨に降られなかった一日となった。
石田大橋下ではクマスズムシのキーーンという甲高い音がした。高齢な方にとっては聞こえずらい苦手な音だろう。
ウマオイやセスジツユムシなどが聞こえず、通の人にとってはもの足りない鳴く虫を聞く会となった。そういえば、以前いたカノコガも見なかった。

夕闇の中、帰る。

この文は多摩川の自然を守る会の方が書いたものです。「河川敷の草を食べる」などのおすすめの記事は多摩川の自然を守る会と関係ありません。

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