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プルーンとバナナ、どちらが鉄分豊富?

プルーンとバナナ、どちらの方が鉄分が豊富なイメージがありますか?果物で鉄分が十分に摂取できればよいですよね。そんなことが可能なのか、調べてみました。

1. バナナとプルーン、鉄分量はどっちが多い?栄養成分を徹底比較!

バナナとプルーン。プルーンは時期が限られますが、比較的手軽に摂れる果物です。フレッシュのプルーンがない時は、エキス状態のプルーンもあります。バナナとプルーン、どちらが鉄分豊富なのでしょうか?それぞれの栄養成分を詳しく比較してみましょう。

食品100gあたりの鉄分量(mg)
バナナ 約0.3mg
プルーン約0.2mg

この数字からわかるように、バナナの方がプルーンよりもわずかに多くの鉄分を含んでいます。イメージ的にはプルーンの方が鉄分豊富そうに思いませんでしたか?少なくとも私はそう思っていました。

ちなみに、100gのバナナの分量は1本弱。100gのプルーンは約10個分です。プルーン10個は相当なボリュームですね。プルーンエキスの場合は、生のプルーンの約20倍くらいに濃縮されているようなので、スプーン1杯8g(15~20個分のプルーン)とすると多くて0.4㎎の鉄分が含まれることになります。

ちなみに、1日に必要な鉄分量(推奨量)は以下の通りですから、18歳~29歳の月経なしの女性でもプルーンエキスだけで摂ろうとするとスプーン15杯分です。そして月経ありの場合は、スプーン26杯分なので、糖質摂りすぎになってしまいます。

1日に必要な鉄分量(㎎)※女性 月経なし/月経あり
18歳~29歳 男性 7.0㎎ 女性 6.0㎎/10.5㎎ 
30歳~69歳 男性 7.5㎎ 女性 6.5㎎/10.5㎎

果物で鉄分の多いものはアボカド(100g中0.6㎎)ですが、それでも1日に必要な鉄分量をアボカドで摂ろうとすると10個以上食べる必要があります。
果物で鉄分を十分に摂ることは難しいと言えます。

2. 貧血予防に効果的なのは?

鉄分は、体内の酸素を運ぶヘモグロビンを構成する重要なミネラルです。鉄分が不足すると、貧血を引き起こし、疲労感や肌荒れなどの症状が現れることがあります。

  • 鉄分の吸収率 食品に含まれる鉄分には、ヘム鉄と非ヘム鉄の2種類があります。ヘム鉄は肉などに含まれる鉄分で、吸収率が高いのが特徴です。一方、非ヘム鉄は植物性食品に多く含まれる鉄分で、吸収率はヘム鉄に比べて低いです。バナナとプルーンに含まれる鉄分は非ヘム鉄ですが、ビタミンCと一緒に摂取することで吸収率を上げることができます。

    バナナには100gあたりにビタミンCが16㎎、プルーンにはビタミンCが4㎎含まれていますので(バナナの方がビタミンCも多い)、鉄分の吸収には良いですね。ちなみに成人の1日に必要なビタミンC量は100㎎です。

  • その他の効果
    バナナもプルーンもカリウムやマグネシウムが豊富です(これらもバナナの方が多く含まれます)。

    ではプルーンを食べることのメリットは何かというと、まず食物繊維が比較的豊富です。プルーンには100gあたりに1.9g、バナナは1.1gの食物繊維が含まれています。また、アントシアニン色素が含まれているので、抗酸化作用が期待できます。

    • バナナ: 便秘解消、カリウムによる高血圧予防

    • プルーン: 便秘解消、抗酸化作用

3. バナナとプルーン、お勧め摂取方法

  • 鉄分目的なら

    • 上記のように、プルーンにもバナナにも鉄分はあまり含まれていないので、鉄分摂取が目的なら以下の食品を摂るようにしましょう。

      お勧め食品
      ・赤味のマグロ、カツオ、ぶり、あさり
      ・赤味の牛肉
      ・鰹節、ナッツ、小魚、ツナ缶
      ・ほうれん草、ひじき、納豆、小松菜

    • タンニンを避ける:お茶やコーヒーに含まれるタンニンは、鉄分の吸収を妨げるため、一緒に摂るのは避けましょう。

  • 調理法

    • 生のまま食べる:生の果物には、加熱調理によって失われる栄養素も含まれています。特にビタミン類は加熱に弱いものが多いので、生食がお勧めです。

    • 加熱する:ジャムやコンポートにすることで、甘みが強くなることと、ミネラル類は加熱に比較的強いので凝縮することにより、摂取しやすくなります。

    • スムージーにする:他の食材と組み合わせて、手軽に栄養補給できます。作ってすぐであればビタミン類の損失も少ないので良いでしょう。

  • 選び方

    • 旬のものを選ぶ:旬の果物は栄養価が高く、風味も豊かです。

    • 産地を選ぶ:産地によって栄養成分や味が異なります。ちょうど旬を迎えた産地の物を選ぶと良いと思います。


まとめ

バナナとプルーン、どちらが鉄分豊富かという点では、わずかな差ですが、バナナの方が若干鉄分量が多いという結果になりました。たまたま手軽なフルーツということでバナナをプルーンの比較対象にしてみました。

そんなに鉄分が豊富でもないプルーンに、どうして鉄分豊富なイメージがあるのか分かりませんが、イメージだけで食品を選ばないようにしようと思います。ちなみにドライになったプルーンはおなじ100gでも約5倍の鉄分量となりますが、今度はカロリーが500キロカロリーを超え(約1食分のカロリー)になり、糖分摂りすぎとなります。


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