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漬けると良いこと②

糠漬けはお好きですか。私は子供の頃から好きでした。我が家の冷蔵庫にはぬか床があり、夏場は特に活躍してくれます。
今日は糠漬けについてのメリットをお伝えしていきます。

ぬか漬けの原理
糠床のベースは、糠に水と塩を加えたものです。それに、野菜を漬けていくことで、野菜から出た水分や酵素が加わり、それにより微生物が活発に活動を始めて糠床が完成されます。

糠の袋などに、「最初は野菜のくずなど(食べない部分)を漬けて、それは食べないで捨てて下さい」等と書いてありますが、それは乳酸菌や酵母などの微生物をしっかり育ててから漬け物を作るためなのです。この捨て漬けは1ヶ月弱くらいとされています。(私は2週間くらいから漬けた野菜を捨てないで食べてみましたが、微生物が育ち切っていなかったのかちょっと物足りないぬか漬けでした・・・)

また、繰り返し様々な野菜を漬けることで、野菜の酵素や水分が微生物の養分となり、更に糠床が育つので、「おばあちゃんから貰った糠床」が生きていて使えるのです。

なぜ毎日かき混ぜる必要があるのか
糠床をかき混ぜるのは面倒ではありませんか。少なくとも、私は面倒に思っていました。たまに忘れてしまうことも。
ですが、理由を知るとかき混ぜが(少し)面倒ではなくなると思います。

糠床に住んでいる微生物には、酸素が好きな微生物と、酸素が嫌いな微生物がいます。
例えば漬け物に酸味を加えてくれる乳酸菌は、酸素が好きではありません。かき混ぜて空気に触れさせないと、どんどん増えてしまって糠漬けが酸っぱくなりすぎてしまいます。
逆に、暫く糠床をかき混ぜないでおくと、白い膜のようなものが糠床の表面にできますが、これは産膜酵母と言って酵母菌の一種で、酸素が好きな菌です。酸膜酵母は、旨味の素にもなりますが、増えすぎると異臭の原因になるのでやはりかき混ぜて発生させすぎないようにすることが大切です。

つまり、糠床内のパワーバランスを整えた方(=毎日かき混ぜた方)が美味しい漬け物ができるわけです。更に、かき混ぜない日が続くと、味や臭いがおかしいだけでは済まず、カビが生えて糠床が使えなくなってしまいます。

糠漬けの栄養
糠漬けには栄養があります。主なもので言うと、ビタミンB群とカリウムです。(ビタミンB群とカリウムの役割はこちらの記事をどうぞ)

糠はお米を精白した際に出る果皮、種皮、胚芽などの部分です。糠のビタミンBやカリウムなどが、漬けた野菜にも移り、生で食べるよりも栄養価がアップします。数時間漬けておくだけで栄養価がアップするのであれば、利用しない手はありません。家に糠床のない方も、是非お試しください。無印良品などでチャック付きの糠床も売っています。

ちなみに、旅行や出張などで毎日糠床をかき混ぜられないと言う方もおられるかと思います。そんな時は冷蔵庫に入れておいてください。数日ならばそのままで大丈夫ですが、1週間もかき混ぜられないという時は、表面に厚めに塩をまいておきましょう。塩の防腐・殺菌効果で糠床は守られます。

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