小学物語1

オラが小学校生の頃
昭和の50年頃 は 街にいろんな人がいた

片足を無くした傷痍軍人さん
肩から募金箱のような物をつるし
ただまっすぐに立っている

包丁を振り回して自転車で子供を追いかける
れーじあんこ と呼ばれるおじさん
子供たちはそれが楽しくて 
れーじあんこ れーじあんこと
はやし立てる

おらは怖くて 離れてたけど
本人たちは実際のところ
鬼ごっこのようなもんだったのかも

それから放浪画家?
絵を描いて 日本中を旅しているという

夜になると酒場に行き
似顔絵を描いてお金を稼ぎ
バーのホステスさんの家に泊まるとのこと

スケッチブックを父が山で拾ったといって
持ってきた

表紙には 良くなくすので 拾ったら届けて欲しい旨のメモがあった

どうやって返したのだろうか


初めて、彼の絵を見た

松田聖子などの有名人の似顔絵が多いほか
旅の日記帳にもなっており

どこどこの街の女は なんとかと
バーのホステスさんを評価するメモが
多かった

おらは その後彼の姿を見ることはなかった

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時は 大河の流れのように 留まることはしない 陽が沈み 陽が昇り また 新たな 1日が始まる

変わりゆく世界で ただ生きていく
見て 聞いて 触れて
あなただけの物語をつくってほしい

娘へ


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