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「サニー・スポット」第2回

 六十五歳で定年を迎えたのを機に、辺見和也は四半世紀ぶりに高藤家を訪れた。高藤の妻杏子に案内されたLDKは様変わりしていた。前回は妻の容子と中学生の長女真弥、そして小学生の長男浩を伴っていた。食卓で高藤と辺見はビールを、容子は帰りの運転をするので、杏子と紅茶を飲んで談笑していた。子どもたちは高藤の中学生の息子滉平、そして小学生の娘楓と一緒にファミコンに興じていた。
 そのファミコンをつないでいたブラウン管テレビは大型の液晶テレビに変わっていたが、最も大きな変化はソファとテーブルに取って代わって、介護用ベッドが外の景色を見やすい位置に置かれていたことである。ベッドは柵付きで、電動で高さを変えられ、背中と膝の下がせり上がって楽な姿勢をとることができる。ベッド上で食事のできる片持ちテーブル、読書灯、そして呼び出しボタンも備わっている。

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