なんでもないこと
言葉が詰まる。
どうしようもない居心地の悪さ。
この感覚はどこから湧くものだろうか。後ろめたさか、はたまた嫉妬からか。劣等感かもしれないし、全部かもしれない。
ただ気分が悪くて仕方がない。
居心地が悪いのだ。
この場所にはもういられない。落ち着かない。楽しめない。そのような感情だけが心にあった。
くすんでしまったのだろう。
前までいたコミュニティが、何故こうも気色悪いのか。きっとその文化の不可解さが、一度離れたことによって心が冷めたのだ。気付いてしまったのだろう。無理して付き合っていたのだと知ってしまったのだ。
同じ場所で、同じ質を生み出すことなんて出来やしない。きっと私は冒険家だった。
変わりたがる、色々なものを知りたがる。
私はまだ若かった。青臭く、移ろいやすい。そのような人なのだ。今はまだ、年上の安定感だとかに慣れやしない。
あのように、羽を伸ばさず旅をせず、飛ばすに過ごすなんてどうしても出来ないのだ。
安定出来ない。同じ場所にいられない。
これは一体どんな感情なのだろう。
特別でいたい、なんて気持ちは確かにある。
夢心地でいたいし、何かを求め続けたい。
納得のいく世界にいたい。
心は移ろう。心はまだ幼く、ぐるぐると蛹の中のようにぐちゃぐちゃと乱れ変化する。
羽化をするための前準備が、まだ時間がかかっていて。
若さ故の焦り。若さ故の心の移ろい。落ち着きの無さ。
きっと私は幼かった。
大人にはまだなれない。
まだ心が、大人になることを反抗している。
私はまだ、先に行けるのだと急いでいる。
納得のいくように、悔いのないように。夢見るように、失落しないように。
心の輝きを見失わないように、自分だけのものにして。
他人とただ、関われなかった。
夢心地でいたものだから。
誰にも自分を奪われたくなどなかったのだ。
幼い自分を、まだ愛している。
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