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自己紹介など

はじめまして。篠原雅武と申します。

1975年生まれ。神奈川県出身。京都大学総合人間学部卒業。京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程修了。著書『複数性のエコロジー』『人新世の哲学』『人間以後の哲学』など7冊刊行。翻訳書として『自然なきエコロジー』(ティモシー・モートン著)など4冊刊行。

学問研究を生業にしています。哲学を勉強し、写真や建築にも関心をもって勉強し、本を書いたり翻訳もしています。哲学的な問いをたて、それをめぐって考え、文章を書くというのが基本です。自分の問いは、「人間はどこかにいるのだが、それはどのようなところか、そこはどのようなところへと変わっているか、というもので、この問いとの関連で、人間であるということはどのようなことかといったことを考えています。「人間は条件づけられた存在である(humans are conditionned being)」といったことをハンナ・アーレントという哲学者が『人間の条件』で述べていますが、自分の思想はこの主張を基本にしていると思います。そこから、『人新世の哲学』や『人間以後の哲学』を書く中で、人間の条件の「定まらなさ」(instability)をどう考えるか、そこにおいて可能な人間の存在の仕方とはどのようなものかということを考えるようになりました。

こう考えるきっかけになったこととして、ティモシー・モートンの著作との出会いが大きかったと思います。

2016年にはヒューストンを訪問し、ティモシーさんと会って話をしてきました。そうやって、一冊本を書きました(「複数性のエコロジー」以文社、2016年)。ありがたいことに、新聞で紹介していただきました。

また、建築家やアーティストに話を聞いて、そこからヒントを得て、考えるということもしてきました。「定まらなさ」というテーマは、ただ本を読んで考えるだけではわからなくて、実際にそれを感じ、経験するところから考えることを要請するもので、だから私はこのテーマとの接点で実際に建築したり作品をつくっている人の作品を見て、感じて、そこで一緒に考えることが大切だと思うからです。最近のものとしては以下のものがあります。

能作さん、常山さんとは、2016年に開催されたヴェネチア・ビエンナーレ建築展に関わらせてもらったことがきっかけで、交流が始まりました。

オラファー・エリアソンにインタヴューしたのは、森美術館のキュレーターの徳山さんのおかげです。オラファーはティモシー・モートンの友人なので、「僕もティモシーと会ったことがあります」と言ったら、それですぐ話が弾みました。

エレナ・トゥタッチコワさんとは、2020年頃知り合って、それから何かと会って話すことも多いです。「歩くこと」の大切さを教えてもらっているように思います。

川内さんと直接知り合ったのも2020年でしたが、テジュ・コールがそのエッセー(Pictures in the aftermath)で川内さんの「光と影」を論じていて、それにインスピレーションを得て「人新世の哲学」を書いたということもありまして、その意味では、かなり前からよく知った存在であります。

また、京都大学の総合生存学館というところに特定准教授として所属していて、授業をしたり学生相手の勉強会をしています。2025年度からは大学院生の指導も可能になります。2024年度には学部生の授業も一つですがやります。

このnoteを書こうと思ったのは、自分がこれまでやってきたものの紹介をして、少しでも自分の成果が人の目に触れて、何か示唆を与えることになればという思いからなのですが、それだけでなく、大学や大学院での授業のことにも触れることになると思います。





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