今日は京都大学で講義をした。新入生向けに開講されるILASセミナーというのがあって、その枠で講義した。大学では、どういうわけか院生相手にこれまでしてきたのだが、学部生相手に授業したのは久々で、緊張した。
講義名は、「人新世の「人間の条件」を考える」というもので、概要は下記のとおりである。
どれくらい受講生が来るのか心配だったが、わりと来てくれた。文学部、法学部、経済学部、総合人間学部、農学部など、多彩である。よく考えてみると、合格発表からまだ一ヶ月程度で、つまり、受験勉強からの解放後、そんなに時間が経っていない。また、いきなりこんな話を聞かされても、よくわからない人もいるだろう。というわけで、この授業では、自分の経験に照らしていろいろ考えてもらうのがよいかと思うようになった。ただ、話を聞いてみると、ハラリの本を中学のとき読んだとか、高校のとき新書を乱読していたとか、そういう人もいて、わりと普通に理解してくれているようでもある。話を聞いてみてわかったのは、今年大学に入った人たちは中学3年になるやコロナで自宅待機となり、高三の五月になって学校生活がある程度正常化するという経験をしている、ということである。能登半島の地震を経験した人は受講生の中にはいなかったが、そういう人もいるのだろう。
じつは、木曜の3、4にも、大学院生向けの講義をすることになっている。そちらも、京大の院生であればだれでも受講可能なはずである。