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20話 手料理

「おはよう!ともき」
「もみじ、おはよう」そういえば、昨日は親が実家に帰る都合でもみじが家に泊まりに来てたんだった。
「なんか良い匂いするね」
「昨日いきなり泊めてもらうことになったからお詫びに朝ご飯作ってるの」
「僕たち付き合ってるんだからそんなの気にしなくていいのに」
「まぁ、そうなんだけど、日頃の感謝も込めて何かあげたかったし、手料理も食べてほしかったからさ」
「そっか!こちらこそありがとうね。僕も、もみじの手料理食べたいって思ってたけどこんなに早く食べれると思ってなかったから嬉しいよ!」
「喜んでもらえて良かった。さ!冷めないうちに食べて」
「美味しそうだね!」
「そうでしょ!」
「オムレツ得意料理なの?」
「まぁね!小さい頃からお手伝いさんに料理教えて貰ってたから」
「そっか!僕オムレツ大好物なんだよね」
「そうなの?オムレツ好きなんだ!」
「うん!誕生日とか母さんがよく作ってくれてさ。もみじもオムレツ好きなの?」
「うん、好きかな。お母さんが初めて料理作ってくれたのがオムレツだったんだけど、それが凄く美味しくて」
「オムレツ美味しいよね」
「私たち本当に好きな物似てるね」
「そうだね!良かったらお昼はオムレツにしない?」
「朝もオムレツだったのに?」
「今度は2人で一緒に作るんだよ!」
「ともきは料理出来るの?」
「一通り出来るよ。僕も母さんの家事よく手伝ってたし」
「そっか!なら一緒に作ろうよ。2人で作るともしかしたら味も変わるかもしれないし」
「味はたぶん変わらないと思うけど作ろう!」こうして僕ともみじはオムレツを作るため近くのスーパーに材料を買いに来た。
「ここに来るの久しぶりだな」
「そうだよね!私も最近はカエデモールで用足りるし」
「僕もだよ」
「でも、たまにこういうところ来ると懐かしいよね」
「確かにね。昔を思い出すっていうか」
「ともきはいつまでここで買い物してたの?」もみじが不思議そうに聞いてきた。
「僕はカエデモールが出来てからもしばらくはここで買い物してたかな。なかなか新しい店に入る勇気がなくて」
「そうなんだ!私は開店当初にカエデモールに行ったよ」
「服買いに行ったの?」
「まぁ、そんなとこかな。メイクやコスメなんかも欲しい時期だったからね」
「なるほどね」
「ともきはなんでカエデモール行こうと思ったの?」
「僕はゲームが欲しかったからかな」
「男の子はゲーム好きだよね」
「もみじはゲームしないの?」
「私はしたいけどやり方わからないからさ」
「操作方法覚えるの難しいもんね」
「そうなんだよ〜」
「僕で良ければ操作方法とか色々教えるから今夜一緒にしてみない?」
「え、いいの?」
「もちろん!」
「あ、うちらここにオムレツの材料買いに来たんだよね」
「そうだった!早く買おう」オムレツの材料となる卵を買った僕たちはさっそく帰って調理することにした。
「えっと、まずチキンライスを作ろう」
「そうね」
「チキンライスってどうやって作るの?」
「あら、料理は一通り出来るんじゃなかったの?」
「オムレツの作り方は教えて貰えなかったんだ」
「なるほどね!こうやって作るのよ」
フライパンにオリーブオイル大さじ1/2を入れて中火で熱し、熱くなれば切った玉ねぎ、にんじん、鶏肉を一度に加える。
3分ほどヘラなどで混ぜながら炒めて野菜と肉に火を通す。玉ねぎ全体が透明になり具に火が通れば塩ひとつまみ、こしょう少々で下味をつけする
続けて、少し火を弱めてからケチャップ大さじ3、トマトピューレー大さじ1、バター10gを加える。
バターが溶けてケチャップが全体になじむように混ぜ合わせる。
あとは温かいごはんを加え、全体を混ぜ合わせる。
ケチャップがまんべんなくいきわたれば、Bの塩小さじ1/4とこしょう少々を全体にふりかけ、最後に混ぜ合わて軽く炒める。
ひと口食べてみて塩気やこしょうのきき具合をみて、必要があれば調整すれば完成。
「チキンライス作るのも大変なんだね」
「ライスも難しいけどオムレツも難しいのよ」
「そうなのか!頑張るよ」
「ともきなら出来るようになるよ!」
オムライスの卵はひとり分ずつ仕上げるので、ボウルにまず卵2個を割り入れます。塩2つまみを加え、箸でしっかり溶き混ぜる。
フライパンにサラダ油小さじ1を中火にかけて、淵まで油を広げる。
熱くなれば、卵液を一度に加え、すぐにフライパン全体に広げる。
火の通りにくい中心部分だけを箸でさっとぐるぐると2周くらい手早くかき混ぜ、卵液を傾けて穴がないようにする。卵が半熟状になったら火を止める
フライパンの取っ手から見て、円の半分よりも少し奥側にチキンライス1/2量をこんもりと盛って(ここで弱火にかけ)、手前側から卵をそっとチキンライスにかぶせる。
オムライスを取っ手とは真反対の位置に寄せて(動きづらければフライ返しなどを使って)、取っ手を垂直に持ち上げ、オムライスを皿に移す。
このとき、卵の開いた部分が下にくるように移し、お皿にのったオムライスには卵の切れ目が見えないようにする。形が悪ければキッチンペーパーをかぶせて手で押さえて形を整えるとよい。
「確かに卵の方も作るのは大変だ」
「でしょ!でも作るのって楽しいよね」
「そうだね」
「じゃあ、ソースも作ってみましょ!」
「え、作れるの?」
「もちろん!まずはね」
ケチャップ大さじ4、水大さじ1.5、バター10g弱をフライパンに合わせ、弱火にかけてバターが溶けて全体が混ざればソースの完成。
「これでオムレツの完成よ!」
「おぉ!美味しそう」
「調理時間は20分てとこかな」
「20分でこんなに美味しいオムレツ作れるなんてもみじは天才だね」
「ただ、料理が好きなだけよ」
「それでも、もみじと一緒に料理することが出来て良かったよ」
「喜んでもらえて良かった」
「早速食べよ!」
「そうね!食べましょう」この日、僕は初めてもみじと2人で作ったオムレツを食べてまた一緒に作りたいと思ったのだった。

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