見出し画像

FaOI幕張2023初日現地感想②【if...】

感想を一言で言うと


北京OP金メダルのパパシゼ組の演技が終わった直後から、私の心臓は早鐘を打ち始めました。

「来る…
ついに来る…」

FaOIに羽生選手が出る、と発表されてから、スケジュールとお金を調整して頑張ってチケットを取って日々の仕事をこなすといった数か月にわたる私の努力がやっと実る瞬間がやってきました。

名前がコールされて、パッとスポットライトを浴びた羽生選手のスピンが目に入った時、私は心臓が止まるかと思いました。


かっこいい!!




…以上!


というのは嘘で笑(レポになってない)

「かっこいい」というワードが私の頭の中を占領してしまって、それ以上の言葉が出てこないというか。

でも、いつも現地ではそんな感じなんですよね。
何か月もその瞬間を待ちわびていたはずなのに、見終わった後一瞬で記憶喪失に陥ってしまう。
数分の演技が体感1秒で終わってしまう。

初見の演技だと特にこのような現象が起こります。
何の予習も無しに羽生選手の演技を見たら、あまりのかっこよさの衝撃に打ちのめされて脳内処理が追い付かないんでしょうか…。
あぁ、勿体ない。

なので、ここからは先日あったCS放送の内容を見て記憶を補完しながら書いていこうと思います。

斬新な始まり方

一番最初、まだリンクが暗いうちからスピンが始まったので、「まだウォームアップしてるのかな?」と思ったんですよね。
ところが羽生選手はスピンしたままで曲がかかりスポットライトが当たったことで、「違う!スピンから始まるんだ!」と理解した時、私は鳥肌が立ちました。

スピンから始まるプログラム、私は今まで他に見たことが無いです。
すごく斬新な始まり方だなと思いました。

綺麗にTの字になったキャメルスピンを見ているだけで、私の頭はクラクラきそうでした。

羽生選手のキャメルスピンは本当に綺麗。
片足が完全に氷と平行を保ちながら曲のグルーヴに合わせて回転する様を見ているだけでため息が出てきます。

そして、この斬新な始まり方は、この後の演技への期待感も倍増させてくれるものでした。

可視化された音楽

冒頭からまず驚いていると、イントロ部分だけでもバチバチに音に合わせてくる羽生選手の動きにまた仰天。

特にパーカッションの三連符の音に合わせて足を動かすところ。その足さばきが気持ちいい程キレが良くて、現地でリアルに頭を抱えてしまいました。

「そんなことできるの?
え、上手すぎじゃない?
なんでそんな動きが氷上でできるの?」

と、答えの返ってこない疑問ばかりが私の頭の中で渦巻いていました笑。

片足滑走でよくあそこまで自分の身体を自在に動かせるなと、驚いてしまいます。

「いつか終わる夢」でも思ったんですけど、メロディーラインのバックに流れている効果音や打楽器、ベース等の音に身体を合わせてくる羽生選手の振付がすごく好きで。グッときます。

それと同時に、羽生選手がいかにこの楽曲を聴き込んでいるのか、ということが伝わってきます。
音楽が身体表現で可視化されている。

なんて魅力的な演技なんだろう。

これは何度も何度も録画をリピートして見たくなるやつです。

実際あれから毎日毎日「if…」を観てしまっています。
やめられない止まらない状態に陥っています。

印象に残ったシーン



現地の記憶喪失状態から辛うじて掬い上げた私の記憶によれば、

強く印象に残っていたのは先程の三連符の表現と、

ショートサイドに向かって反対向きで大きく上体を反らし片足で滑っていった時に聴こえた観客の悲鳴に近い歓声笑、

ピボットターンしながら掲げた腕にもう片方の腕を寄り添わせるようにして沈んでいく様子、

それから最後のポーズ。

最後のポーズには特に度肝を抜かれました。

バン!と曲が終わると同時に180度開脚で身体を沈み込ませる羽生選手。
一瞬視界から消えたかと思いました。

ダンスの技でいう「get down」という技だそうですが、ネットで他のダンサーがその技をやっているところを見てみたら、
片足は伸ばしているけれどもう片方の足は折りたたまれていることが多いです。特に男性の場合は。

それを両足開脚でやっている羽生選手…
彼の柔軟性とは一体どれだけのものがあるのでしょう。
ビールマンスピンもかなりの柔軟性がないとできない技だと思いますが。

今まで見たことが無い、新しい試みを次々に見せてくれる羽生選手の止まらない進化。
一体このお方はいくつの引き出しを持っているというのか?

常にその時その時の全力の演技を見せてくれて出し尽くしてくれているように見えるのに、ショーがある度にガラっと違う新たな全力の姿を見せてくれる。
驚異的です。

綺麗な両足開脚を現地で横から見ながら、私は魂が抜けたように茫然とするしかありませんでした。

CS放送ではこの場面は正面からの映像でしたね。ぜひ、次に放送があったらこの両足開脚は横からの映像を映してほしいです。

あの一直線に伸びた脚の美しいこと。
また羽生選手の真骨頂を見せてもらえた気がしました。

「羽生結弦」を超えてくる


DA PUMPのISSAさんの伸びやかなボーカル、KIMIさんのラップ、そしてバックに流れる音楽、全て一つ一つの音を拾い上げるように表現する羽生選手。

途中阿修羅ちゃんを思わせるような手の振りもあったりして、「これはもしかしてセルフコレオなのかな?」と思いました。
それとも、デイビッド・ウィルソンとの共作かな?

羽生選手のダンススキルが更に上がっている気がしました。
プロローグのchange、GIFTとSOIの阿修羅ちゃんと見てきて、最初からダンスが上手いとは思っていたけれど、より動きが洗練されてきたというか、
動きの緩急の伝わり方が違う気がする。

「if…」は全て踊っているかというとそんな事はなくて、スケートで魅せる部分もちゃんとあって。
止まってしっかりダンスを魅せる部分、スケートやジャンプで音ハメしてくる部分とそれぞれの良い所が融合している振付でした。

そして、技術面だけではなくて、「if…」という楽曲の歌詞にのせた感情表現の豊かさも見逃せません。
狂おしい程の感情を込めて滑る羽生選手の表情を見ていると胸が締め付けられるような気持ちになります。
何を想いながら滑っているのか、それは羽生選手にしかわからないことだけれど。

やっぱり、こんなプログラムは羽生選手じゃないと滑れない。
斬新で革新的。
氷上でしか出来ない表現が詰め込まれた、唯一無二のプログラムがまた誕生したんだなと思いました。

羽生選手の何が凄いかって、
毎回きちんと私の想像を超えてくるところ。
過去の羽生選手より、最新の羽生選手が一番かっこいいと思わせてくれるところ。

羽生選手のファンになってから、「昔はよかったのに」と思ったことが一度も無いです。

今回も、今までの「羽生結弦」を超えてくるのは他でもない「羽生結弦」本人でした。

現地で見て、その事をまた心の底から実感できた事が一番嬉しかった。

現地での感想が「かっこいい」、以上。
あとは記憶喪失だなんて
すごく勿体ないと思うけど、

それは、
一瞬でも退屈を感じることなく
無我夢中で見てたという何よりの証拠だから。

あの日、あの時の羽生選手の演技を現地で見ることができて、本当に良かったです。


常に最新の羽生選手が最高って、
ファンにとってこれほど幸せなことはないなって思います。

きっと、常に最高の状態でいることって、簡単なことじゃない。

その華やかな姿の裏には必ず、人知れず重ねている努力があるはず。

そうでなければ、こんなに見る人の心を動かす演技は生まれないですよね。

日々の努力に裏打ちされた彼の最高の姿、スケートを見せてもらえることに感謝したいです。


もう少し続きます。


もう明日から宮城公演が始まりますね。
羽生選手も、他の出演者の皆さんも、どうか素晴らしい演技ができますように。
宮城公演が無事に大成功で終わりますように。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?