幼馴染ジョングク7


…翌朝…

ジョングクが運転する車で買い物へ。

「アミ、眠くない?」

『大丈夫、眠くない。ジョングクは?』

「俺も大丈夫。」

『ちゃんと眠れた?』

「うん。眠れたよ」

『なら良かった。』

「ん。」

「あー、でも、誘っといてなんだけど、今夜ジミニヒョンとみかと4人で飲む約束してたよな?」

『あーうん。そうそう。今夜だよね。』

「大丈夫?体力持つ?」

『うん!大丈夫!
楽しいことしてる時は疲れないから!』

「なんだそれw」

『本当だよ』

「そ?じゃあ行きますか?」

『うん!』

ジョングクの運転でふたりで出掛けるなんて、今まで何度もあるけど付き合ってからは初めてで。

なんか自然とニヤけちゃう。

真剣に運転するジョングクの横顔とか
ハンドルを握ると浮き出る筋肉とか
たまにぶつぶつ小さな声で何か言ってる
独り言とか凄く好き。

油断するとつい"ふふっ"って笑ってしまう

「何?」

『いや、何でもない。』

「何だよ」

『何でも無いってば』

「...」

『なんかドライブいいな、って』

「今まで何回もしてるじゃん」

『そうだけど』

「ん?」

『何か新鮮で』

「ふふっ、新鮮?そうなの?」

『うん。そうなの』

なんてたわいも無いことを言い合いながら助手席にただ座っているのも居心地良くて

あっという間にお店に到着。

『えーっと何買うんだっけ?』

「お前の枕。」

『あ、そうだっ、そうだ。じゃぁ…2階かな…?』

「あと、ブランケットも買う?」

その言葉に驚いて"えっ?"と思わずジョングクの顔を見てしまう

「お前寒がりじゃん。」

『あ…うん。そうだけど…』

「寒いとソファでいつもうずくまってんだろ?」

『まぁ、そうだね。』

「あった方が良くない?」

『うん。でも…いいの?』

「何が?」

『珍しくない?』

「ん?」

『ジョングク、一人暮らし始めてから
急に余計な物一切置かないから
ポリシーなのかと思ってた』

「あぁ、物置かないのは単純に片付けが面倒だから」

『あぁ』

「あと、俺、家に人呼ぶの得意じゃないし」

『そうね…』

「たまにジミニヒョンとアミが来るくらいだから別にいっかなって。」

『そっか』

確かに私とジミンさんくらいなら気を遣って何か買う必要無いもんね

...ん?

今までの彼女とかってどうしてたんだろ?

部屋に呼んだりしなかったのかな?

気になるけど…
なんか、聞けない…
「ん?どうした?」

『いや、べ…別に何も…』

「何?」

『いや、あの…』

今までだったら気軽に聞けたのにな…

「ん?何だよ?」

『あー、いや…その…』

ただ気になっただけなんだけど
嫌味に聞こえたりするかな?

普通に…
普通に聞けば大丈夫だよね?
『あの…今までの彼女とかってどうしてたのかな、って。』

「あぁ…彼女ね…彼女な…」

えっ。何か歯切れ悪いな…やっぱ聞かなきゃ良かったか。

ジョングクの彼女のことって
"出来た"か"別れた"しか聞いたことなかったし…

こうゆう話しするの苦手だったのかな?
「...信じられないかも知れないけど」

『ん?』

「女の子はアミ以外、部屋に入れたことない。」

『え?』

「まぁ、とにかくこれからはあった方がいいだろ?」

なんて視線を合わさずにサラッと言われて
すっごく嬉しくて動揺しだけど

『う…うん!』

って応えれば安心した様に目尻にシワを寄せて微笑むジョングク

変な空気になっちゃう?って心配したけど、すっごい良いこと聞けちゃった!!

に、してもだよ、、、

やだ、もう…
何なのジョングクって…

仕草とか一言一言に
胸が苦しくて
すんごいキュンキュする
『枕は…私、あんま低いのダメなんだよな…』

「そうなんだ、じゃあこれは?」

『どうれ?あ。丁度いいかも』

「あー、あと、布団ももう1組買う?」

『え…私は…枕だけあれば充分なんだけど…
ジョングクは寝るの別々がいいの?』

「え?」

『え?』

ジョングクさん…?
顔真っ赤ですが?私が手に持っていた枕をサッと手にしたかと思うとそのまま大きなカートの籠の中にポンと放り込んだジョングク

「じゃぁ次行くか。」

ってまた視線を合わさずに
頭をクイって大きな手で支えられて

なんだか凄く照れくさいけど嬉しくて

ジョングクと居ると楽しくて
ドキドキして
最高なんだけど。

その後は私がキッチンで使いたい物とかちょこちょこと買い足して

買った物を2人で車の荷台に積んで

またジョングクの運転で帰宅することに。

『何か、今までと一緒な様で違うね。』

「ん?」

『ほら、今までも2人で買い物とかってよく行ってたじゃん。』

「うん」

『でもこれデートなんだな〜って思うといつもより楽しく感じるって言うか。』

「うん」

『ちゃんと彼氏と彼女なんだな〜って』

え…?
キ…キス…???

不意にチュッと重なった唇が離れて

「もっとちゃんと俺の彼女だって実感してくださいよ。」

なんて言われて

物凄く恥ずかしくって嬉しくて

『は…は…は…い』

ってゴモゴモなってしまったら

「顔あっか」って笑われて

『うるさい!不意打ちに弱いの!!』

って応えれば

「はははっ、そうなんだ!良いこと聞いた!」

って嬉しそうに笑うジョングク

も〜〜〜う!
人の気も知らないで〜!

顔を下に向けて堪えていたら

「まぁ、これもデートっちゃデートだけど、ちゃんとしたのはまた今度しよ。」

なんて言われてまた心臓が
ギュウギュウしてヤバイ…

『...する...したい!』

「うん。ふふっ。」

わーもー
私ばっかりドキドキしてる気がする

『お腹空いた!』

「はい、はい、何か食べてから帰りますか。」

『うん!』

「何食べたい?」

『何でもいい!何か美味しい物!』

「何でも良くないじゃん。」

『え?あ、美味しい物なら何でも良い!』

「ははっ。またそれかよ。」

『だって、そりゃ美味しい物が良いに決まってるでしょ』
「はいはい、分かりましたよ。っつても俺、アミみたいにお店詳しくないから…』

『あぁ…』

「いつものサンドイッチとかでいい?」

『私も思った!あそこなら通り道だよね』

「だな。」

『そうしよ!』

「じゃあ出発しますか。」

『はい、お願いします!』

「ん」

ジョングクの助手席の幸福感ヤバいな。

に、してもだよ?

さっきの言葉がパワーワード過ぎて…
頭っから離れないんだが。

"女の子はお前以外部屋に入れたことない"

なんて日本語存在するんだね。

しかも、それを彼氏に言われる日が来るとは!

幸せ過ぎて恐怖すら感じるんだが。


"女の子はお前以外部屋に入れたことない"

いや、もうさ…

もう一回言ってくんないかな。

録音して何度も聞きたいわ。

いや、私、変態じゃん。

ははは…。

我ながらヤバいね。

けどさ、仕方なくない?

こんなウサギみたいな綺麗な顔して身体は筋肉ムッキムキのジョングクにだよ?

んなこと言われたら頭バグるって。

今までよく普通に"ただの幼馴染"なんかやってたな、私。

つーか、ジョングクって彼女とどうしてたんだろ…

「何?」

『...へ?』

「何か付いてる?」

『あ、いや、何も。』

「だったら見過ぎだろ」

『あぁ…今、見てた?』

「いや、見てたっつーか…さっきからずっとこっちしか見てなくない?」

『…え。』

「無意識?」

『あー、そうかも。』

「ふふっ。まぁ、別にいいけど。」

『だって...』

「ん?」

『なんか、信じられなくて。』

「何が?」

『いや、色々と…』

「...色々って?」

『あーだから…その…』

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