しょーちゃんと私



日中、ゆったり

ソファーに傾きながら座り、
ケータイをいじってるしょうちゃん
(横になるでもなく、
真っ直ぐ座ってるでもなく、 
なんとなく左側に傾いてる
後頭部の刈り上げが美しい)

しょうちゃんの後方にあるイスに座ってる私
(テーブルに肘ついたりしてる)

私:ねぇ…
しょう(以下「し」):ん?


私:…………
し:なによ、どしたん?


私:…ねぇーーー(長いし、すごく暗い声)
し:(笑)なに?

私:何見てるの?
し:(振り向いて)…お前
   
 さらっと男前

私:…(ケータイを指さす)それ
し:世の中よ
私:世の中?
し:(ケータイに目線を移し)
    誰か俺のいい話してないかなぁと思って
私:それが世の中?
し:そー、俺中心、俺の世界、オレサマ
私:世もすゑですな(ため息まじり)
し:みんなそんな感じちゃうの?
    興味ある事とか、友達の事とか、
    好きな犬の事とか、
    己れの世の中で固めてるやん、これを。
私:ほぉ〜
し:せやろ?
私:ほぉー…
し:お腹空いてきた(ケータイを置く)
私:あるよ
し:何?
私:冷凍たこ焼き
し:うまいやつ??
私:いつものやつ
し:それが結局いっちゃんうまいねんなぁー
(言いながら、キッチンへ)

冷蔵庫閉める音、レンジの扉開ける音、
ボタンを押す音、口笛も聞こえてくる

少し考えて、立ち上がって、
ベランダの方へ歩いていく私

私:(晴れてるなぁ…
     こんな日に家にいるなんて、
     勿体無い気持ちになるけど…
     あー、夜は外食でもいいなぁー、
     洗い物めんどくさいし…
     肉!!!!でっかい肉食べたいかも…
     肉なしの世の中はちょっとダメかもな、
     あたし…)

キッチンから声

し:食べるー???
私:世の中ねぇ…(聞いてない)
し:なぁー???(声のみ)
私:えっ?
し:食べるぅ??(→と聞きつつ、
    長めの楊枝2本が刺さったたこ焼きと、
    小皿2枚を持ってご登場)
私:えっ?鳴った?レンジ
   (しょうちゃんの方へ、イスに座る)
し:鳴らさないところがミソよ、世の中よ
私:(「何言ってんだ、さっきから…
  世の中、世の中って…気に入りやがって」  
  の顔)
し:(急なテンションMAX)
    俺の世の中は、いかに!
   うるさくしないかって事に頭を使うわけ!!
   なぜなら!それは確実に自分の平和、
   日々の平穏な暮らしに繋がるから(ピース✌️)
私:寝てる時は例外なのね、それ(ピシャリ)
し:あっ、うるさかった?
私:(うなずく)
し:疲れてんねんなぁ、俺っ(自分を抱きしめる)
私:(じーっとみてる)
し:さっ、食おぉー

たこ焼きを食べ始めるしょーちゃん
あちあちなのか、そうでもないのか、
自分のいつもの熱さでうまい

私もいつの間にか食べてる
ちゃんと2本刺さってた楊枝
それぞれの前に置かれた小皿

食べながら飲み物を取りに行く私
いつものお茶が2つ

し:ありがとう
私:どういたしまして
し:うまぁー(たこ焼きも、お茶も)

おしまい

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