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実はすごいぞ 小松城

自宅から歩いて10分くらいの場所に、小松城の跡地がある。
いまも残っているのは、土台の一部の大きな石だけであり、城らしさはあまり感じない。しかし、調べてみたら、結構すごい城だったようだ。

小松城が出来たのは今から約450年ぐらい前。
一向一揆の時に建築されたそうだが、柴田勝家に攻められて以来、城主は、いろいろと変わり、最終的には、あの有名な前田利常公の所有となった。

前田の殿様は、小松城を別荘として使うことにしたので、いろいろと趣向を凝らした。
城は石垣の上に立っていて、3階建ての小さい規模だったようだ。
しかし美しいものを好む前田公は建て方にはこだわったようで、寄棟屋根・柿葺き屋根という、日本でもここでしか見られない珍しい手法で建築した。
城をたてる技術が一番栄えていた時期でもあり、石垣もとても丁寧に組み上げられたため、いまでも石垣は残っているという訳である。
この組み上げ方は「切り込みハギ」といって、直線的に加工した石材をブロック状に積み上げるやりかたで、石を削ってきれいに整形して積むので、
高くて急角度の石垣を築くことができるので、見た目も美しいのである。
もちろん、手間とお金がかかるため、徳川将軍家や一部の偉いお殿様しか、この建て方を選ぶことはできず、さすが加賀百万石のお殿様である。

もともと城が1つだけの拠点であったが、そのまわり12個の建物をたて、
それらを湖に浮かべさせた。そして橋を作り、自由な行き来を可能にした。
このスタイルは「浮き城」といって、全国的にも珍しいようだ。
結果的にかなり広い城になり、金沢にある本城の2倍の面積になった。

このような素晴らしい城が、昔、この近くにあったわけで、
自分のご先祖様は、そのころ、どんな暮らしをしていたのだろうと、
なんとなく手を合わして、ありがとうございます、という気分になる。



子供の頃は、石垣付近によく虫をとりに行ったが、まさかの蛇に出くわすことが多かった。


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