風の話
カタカタ静かに戸が動く
耳を澄ますと、ゴオー バサっ バサっと
何者?
そのまま目をつむり、静かに布団にくるまって眠る
目覚めると、快晴だ。
まだ風は吹いている。
靴の紐をキュッと締めて外に飛び出す。
カラカラカラ 枯れ葉が舞う
ざあー、ざあっ ざあー、ざあっ。ケヤキの枝がしなる。
ふと足元を見る。ボキッと折れた木の枝
風は言う
目覚めよ 目覚めよ 目覚めよ
いつまで寝ているのだ。いつまでそこにいるのだ。
春の光は目の前にあるのに。
何をしている。お前はもう目覚める時なのだ。
信じるのだ。もう十分だ。
私はお前に力を送っているのだ。
風の力を。大地の力を。
さあ、行け!
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