アルファーデザイン社製防湿剤塗布装置ACM-300L(ワニス自動塗布機)
2022年2月に導入した防湿剤塗布装置:アルファーデザイン社製ACM-300Lを紹介します。
生産性の向上と品質の均一化を目的に電子基板へのワニス塗布を自動塗布機へ切り替えます。
これまで弊社では職人による手塗り作業で電子基板へのワニス塗布を行ってきました。特に問題があったわけではありません、作業も手慣れたもので今まででワニス塗布に不良があったこともありません。
しかしながら、手塗りの場合、塗布禁止箇所へのマスキングが必要であったり、ラインでの流れ作業にしづらく、筆による塗布のため表面のムラがどうしても避けられません。
これらの問題は我々のような少量多品種生産を行っている製造ラインでは、手塗り作業のデメリットを把握できていても費用対効果が見出しにくく、中々自動化への決断が難しいのではないかと思います。
しかし、ワニス塗布に関しては顧客からかなり細かい部品まで塗布を要求される傾向もあり、一台当たりにかかる作業時間が長くなっていくことが見込まれました。
そこにコロナ禍以降、数年先のオーダーまで入っていることと、世界的な電子部品不足により生産工程が遅れたタイミングで少しずつ部品の入荷が改善したことで生産が渋滞し始めており、生産性の向上は急務でした。
検討段階でアルファーデザイン様へ伺って実機を見た際に、自動塗布によるワニス塗膜が均一で表面の平滑さも素晴らしい仕上がりが想像を超えていました。何よりも想像していたよりも早い。
実機を見るまでのワニス塗布機のイメージは飛散するのではないかという心配からマスキングの手間が残ること懸念していましたが、ACM-300Lは幅の異なる2種類のノズルで塗分けを行うことで、細部の塗分けも確実で、広範囲の塗布部はハミ出しやムラは皆無でした。
そのため基板ごとに塗布箇所のマッピングさえしてしまえば、あとはマスキングの手間がなく、実装の終わった基板をACM-300Lにセットさえすれば作業が完了します(実際は顧客指定の部品単位への塗分けなどで手作業が残りますが)。
我々の生産している製品ではどうしても、手挿入部品(DIP品)が多く自動実装機(SMT)からの連携は難しいため、ACM-300Lはスタンドアロンでの運用となります。
それでもこれまでの手塗り作業から品質の均一化ができることと、作業時間の短縮が見込めます。これらが導入に至ったポイントです。
今回はローダー、仮乾燥炉付アンローダーのオプションも合わせて導入しました。
今後もお客様の手に渡る製品の品質を上げていきます。
【参考】
アルファーデザイン株式会社:
ACM-300L:https://www.alpha-design.co.jp/product-info/acm-series/acm-300l/
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