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機械音痴がutau式人力作りに挑戦した話&作り方






人力作り。
それは、強い熱意を持った者だけが成し遂げられる偉業です。

…そもそも人力とは何か?
キャラクターや人物の声を一音一音切り取って、無理やりボーカロイドみたいに歌わせることです。すなわち狂ったオタクがやるやつ。

コンピューター知識ゼロ・音楽知識ゼロの私でもなんとか完成まで漕ぎつけることができたので、強い熱意良いボイスPCさえあれば誰でも作れると思います。
みんな、推しの人力を作ろう!きっと誰しもが「推しにワールドイズマイン歌ってほしい~~」とか考えたことがあるでしょう。歌わせたらいいがな。


人力の細かい作り方については、ちゃんと知識のある方たちが素晴らしい記事を書いていらっしゃるので、ここでは大まかな流れを適当に記していきます。
クオリティや正確性は置いておいて、謎の自己流ド素人が通った流れ確認したいよーって方向け。
材料の準備~mixまで。私がつまずいたポイントも添えます。


横文字ばかり並んでいてシクシク泣いているのはあなただけではありません。なんとかなります。




①材料の準備

・人力にしたい人のボイス
なるべくはっきり、ゆっくり喋っているものを選びましょう。贅沢を言うと歌声がいいです。wavに変換しておきます。

・wavDivider
wavにしたボイスを台詞ごとに切り取るソフトです。

・setParam
ボイスを一音一音分けて、「ここからが子音だよ~!」などと設定するソフトです。ここが地獄。

・utau
これがないと始まりません。推しを歌わせるためのソフトです。

・歌わせたい歌のust
音程とか歌詞とかがすでに設定されたデータです。ありがたくお借りします。作者様の注意書きに、人力には使用禁止と書いてある場合があるのでよく読みます。

・歌わせたい歌のカラオケ音源
大体作曲者様が公式で出していると思います。ありがたくお借りします。

・Audacity
カラオケと歌声をくっつけたり、歌声を加工したりするソフトです。

ソフトはすべて無料です!カラオケ音源なんかは曲によるかも。
無料で推しのutauが作れる…!?





➁wavDividerでボイスを台詞ごとに切り取る

10文字ずつくらいがいいんですかね。知らんけど。
とにかく、ボイスをキリよくちょっとずつに分けて、ひらがなでその台詞を書き起こしていきます。耳で聞こえたまま書きましょう。(ぼくは→ぼくわ)
ハキハキ喋ってない部分は見切ります。

声だけでなく、息を吸う音も取っておくとブレスに使えるのでテンションが上がります。





➂setParamで原音設定

原音設定。諸悪の根源はこいつです。

さっきの台詞たちを一音一音に分けていくのですが、このとき「か」「き」「く」「け」「こ」などとブツ切りで分けた場合を単独音といいます。「aか」「aき」「iく」「uけ」「eこ」などと前の文字の母音も含めて分けた場合を連続音といいます。歌わせたときの滑らかさが段違いなので連続音で取るのがおすすめです!作業量が単純に5倍くらいになりますが…

例えば、「aか」の原音設定をしたい場合。
まず左ブランク・右ブランクで「aか」と発している範囲を囲みます。
オーバーラップは「aか」の「a」を発声し終えた部分に置きます。
先行発声は「aか」の「か」を発声し始めた部分に置きます。他は特に気にしてません。

つまり子音と母音を分ける作業なのですが、子音部分は波形やパワーがちっちゃくなっているので視覚的にでもわかります。二重母音(や行わ行)は見てもわからんので聞きながら分けましょう。

これは「eな」の原音設定。
この作業を永遠に…!?


語頭には単独音を使うので、単独音もどうせ取ることになるのですが、連続音と違って色々気をつけて設定しなければいけないみたいです。ここについては色んな方が記事書いてらっしゃるので、参考にして頑張ってください。
でも私は、母音はオーバーラップより先行発声を前に持ってくることか、た行のオーバーラップを左ブランクの範囲に追いやるくらいしか気にしませんでしたね…

原音設定はこの方の記事を参考にしていました、ありがたい!



分けたら、エイリアスにこの音がなんの音かというのを書き込みます。
どんな声色かも添えておくと便利です。私の場合、「aか息」「aか小」「aか中」「aか大」「aか叫」みたいに書き分けています。

筆者はこの作業を1000音以上やってとうとう悟りに達しました。履歴書に書こうかな。そんなにやる必要はないですし、半分くらい使えない音でした。ハキハキしていない声や割れた声は見切ることが大切です。






➃ustをお借りしてutaわせる

ustを読み込んで、原音設定したフォルダーごとutauにドラッグアンドドロップします。
歌詞の上でシフト+右クリックすると、頑張って設定した音たちが並びます。そこからはとにかく良い声を選んで歌わせていきましょう。

歌わせていく過程で、足りない音が出てくるかと思います。Audacityで子音と母音をくっつけて錬成、みたいなこともできますが、私は何か上手くいかないので、utau上でそれっぽい声を作っています

例えば、が行の音が足りないとなったら、思い切ってか行で代用しても良いと思います。ば行とかになると無理ですが……と言いつつ「ぴ」の音がなくて「い」と歌わせたこともあります、ごり押し。(ハッイー♪と歌わせた。機嫌のいいタラオ?)

連続音は足りなくなりがちなので、これも代用して乗り切っていきます。「uか」がなかったら「oか」を使ってもよいと思います。もちろんボイスによりますが、uとnも互換性がありそうです。

きゃ行など拗音が足りない場合は、「き」「iあ」(あるならもちろん「iや」が好ましい)をちょっとずつ歌わせることで「きゃ」に聞こえるようにしています。歌詞の上右クリックで色々いじって、「き」を短く小さく、「iあ」を長く発声させるのがポイントです。

歌詞の通り歌わせる必要などありません。
ここだけでもなんの曲かって伝わるもんですか?


自然に歌わせるために、エンベロープってやつをよくいじります。その一音をどこからどこまでどんな音量で発声させるか、を感覚的に操作できるものです。
例えば「ぼく」と歌わせたとき、「oく」の「o」が前の音にかかりすぎてるな~となったときは、「o」部分のスタートを遅く小さくすることで改善されます。部分ごとに音を弱めたり強めたりできるので、連続音「oく」を単独音「く」に変えるなどの荒業もできます。

最近ポルタメントのいじり方も覚えました。
一音の中でも音程を自在に変えることができる、あのふにゃふにゃした曲線です。
音の入りや終わりをきゅっと上げたり下げたりできるので、人間っぽいブレというか感情がこもったような歌わせ方ができます。ちゃんと写真で説明したいー!そのうち書き加えます!あのふにゃふにゃした線です!




➄Audacityでmixする

もう最後の段階です!

モノラルトラックで歌声を追加して、ステレオトラックでカラオケを追加します。
エフェクト→音量と圧縮→増幅 で双方の音量を整えましょう。カラオケは音量がでかいです。

歌声の加工については色々やるべきだと思うのですが、私の場合分からなさすぎて、リバーブディストーションにあるプリセットしか設定していません。どちらもエフェクトメニューにあります。

リバーブは、マイクで歌ったみたいに響きを出してくれる感じです。ユーザー設定→ファクトリープリセットにある「ボーカルⅠ」か「ボーカルⅡ」しか設定したことがないです…
ディストーションは、音量バランスを変えてくれるような気がします。「クリッピング(ソフト)」にすると音量が揃う感じがするのでこれだけ選んでます。





さて完成です!推しにときどき声が似ている機械音(期待のしすぎは良くないので)が、自分の好きな曲を歌ってくれています。なんということでしょう…

たったの5ステップでできましたね!
所要時間は、そこそこ暇な大学生の春休みを約1か月半消費して、材料の準備~合計10分ぶんくらいの歌唱 まで作りました。クリエイティブ春休み。

ということで是非みなさまも挑戦してみてください!職場や学校で嫌なことがあっても、家に帰れば推しのutauがある人生は強いですよ。







成果物として、私の中では一番上手くいったQのサビを公開しておきます。


細菌汚染も上手くいったのでぜひお聞かせしたい。そのうちmixします。
推しの人力に細菌汚染歌わせるって何事??と思われても仕方ないのですが…



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