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私自身のための優しい回想

「私自身のための優しい回想」

サガンのエッセイの題名です。

私自身の今の境遇に合った題名だったので、今回載せさせていただきました。

来週末の2024年4月13日で、脳梗塞を発症して、8年が経ちます。

前回の投稿の方でもご紹介しましたが、「奇跡の脳」の著者ジル・ボルト・テイラーさんは8年で脳卒中を改善されました。

「奇跡の脳」の本は、半年居た病院を退院してすぐに買って読んだのですが、その時以来8年間ずっとジル・ボルト・テイラーさんを意識してきました。

私の今までの脳梗塞の治療経過については、自分なりには、とても満足しています。

サガンの話しに戻しますが…

サガンについては、私の若い時からとても有名な方で、世界各国のベストセラーズのひとつとなるほどで、いろんな雑誌に特集されていました。

サガンのベストセラー作品である「悲しみよこんにちは」は、高校卒業後の短大に入る前の春休みに読みました。

その時は、それほど良さは分からなかったのですが、最近になって、この本を再度読んでみたら、これが本当に良かったんです。

私が成長したのか、病気の影響なのか、なぜだか分からないのですが、本当に心に響きました。

以下に「悲しみよこんにちは」の中でも特に好きな冒頭の文章を抜粋して、載せさせてもらいます。

『ものうさと甘さとがつきまとって離れないこの見知らぬ感情に、悲しみという重々しい、りっぱな名をつけようか、私は迷う。その感情はあまりにも自分のことだけにかまけ、利己主義な感情であり、私はそれをほとんど恥じている。ところが、悲しみはいつも高尚なもののように思われていたのだから。私はこれまで悲しみというものを知らなかった、けれども、ものうさ、悔恨、そして稀には良心の呵責も知っていた。今は、絹のようにいらだたしく、やわらかい何かが私に蔽いかぶさって、私をほかの人たちから離れさせる。』

私自身、脳梗塞になって、失うほうが多かったけど、今回のサガンの文章の解釈の仕方が変わったこと等、いろんな新たな発見があることに気付かされました。

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