Snow Manすごい
先日ジャニーズからスノストと呼ばれる2組、SixTONES、Snow Manが同時デビューした。
渋谷を歩いていた時、ハチ公前の広場の巨大広告をはじめ、CDショップ、各店のビジョンがあまりにスノスト一色で驚愕した。ここまでするのかと。
思えばスノストの一つ前にデビューしたのがキンプリだったと思うのだが、彼らがデビューした2018年1月は今ほど頻繁に都内へ遊びに行くこともなかったので、ジャニーズから誰かがデビューするということはこんなにも期待されていることで、こんなにも誰かの目に留まるものだとは知らなかった。
自分はコンサートには行かないしCDも滅多に買わないので、ジャニオタと呼んでもらえるほどの者ではないけれども、小さいころからジャニーズが好きだった。
岩手のド田舎で高校生まで過ごした私は、東京はもちろん仙台も盛岡も気軽に行けなかったし、自分が楽しめたのは家のテレビで観れるコンテンツだけだった。都会の人に比べたらテレ東など観られない番組がたくさんあったし、しかも家が厳しかったので深夜のテレビは観れなかった。そして一切のゲームが禁止されていた。加えて友達がいなかった。
ライブに行くことも、友達と遊ぶことも、ゲームをすることもなかった私に唯一、他の全国の女子中高生と平等に与えられていたのが『ザ少年倶楽部』という番組だった。これは20年にもわたる歴史がある番組で、デビュー前のジャニーズJr.がNHKホールで、先輩の曲のカバーをしたり、わちゃわちゃとトークをしたりするなどの内容だった。
自分が観ていた時代に登場していたキスマイやA.B.C-Zは長い下積みの末デビューし、おめでとうおめでとうという気持ちだったが、中にはキャリアがあまりないにもかかわらずいろんな段階をすっ飛ばしてデビューする子もいた。
ジャニーズがこんなにも長い間、男性アイドルのトップに居続けている理由の一つがそれだと思う。頑張った人すべてがデビューできるわけではない上、デビューするのも決して『歴が長い人から順番』ではない。
だからこそ長年苦労したお兄さんグループがデビューする喜びはひとしおなんだと思うし、若くてまだ誰にも知られていなかった子が突然日の目を見るという急展開も、我々を楽しませてくれる。
『あのかっこいい先輩、ジャニーズ受けたらしいよ笑』といった会話を絶対に誰もが一度はしただろう。かっこいいからといってジャニーズに入れるわけではないことを感じた人もいるだろう。ジャニーズに入るというのは本当に狭き門で、その中でデビューできる確率はどれほど低いものか私には想像できない。
それにもかかわらずデビューした全員が例外なく、誰かに応援してもらえる魅力を持っているというのが、故ジャニー喜多川氏の審美眼のあまりのヤバさを感じさせてくれる。
スノストはどちらかというと下積みの長い2組だった。
それでもSixTONESはSnow Manと比べ、京本政樹さんの息子さん、ハーフで歌のうまい子、田中聖くんの弟、森本龍太郎くんの弟、すでに『B.I.Shadow』『NYC Boyz』でデビューを一度経験したふたり、と、ジャニーズを知らない人にも注目されやすい子の集まりだったように感じている。加えて実力もあり、そんな彼らがデビューするにあたり注目されないわけがないと思う。
それに対してSnow Manは、誰かがめちゃくちゃ注目されることがあまりなく、地道に活動してきた子たち、という印象があった。
自分はザ少年倶楽部を観ていたのでもちろん全員の事を知っていた。名門大学の院まで卒業し気象予報士の資格をとった阿部くん、アスリート並みの筋肉美をもつ岩本くんなど、SixTONESとはまた違った個性をもつ子たちだった。
それでもダンスの実力があるぶん、個々を目立たせるというよりは集団の力が認められて、激しいパフォーマンスの先輩のバックにつくことが多いように見受けられた。
それぞれ歴が長く、阿部くんや深澤くんに至っては13年も前にデビューしたHey!Say!JUMP山田くんと同期ということで、本当に長い間頑張ったんだなと尊敬せざるを得ない。
それと同時に彼らは、Jr.として頑張っているあいだに、多くの仲間が別の道を選ぶのを目の当たりにしている。中にはJr.内でも人気のある子がやめてしまうときには、自分がその選択をすることが頭をよぎっただろう。
もちろん辞めてしまった子たちが幸せになってくれれば嬉しいし、そうなるんだろうけど、
そんな中でもSnowmanのメンバーたちがやめなかったのは本当にすごいことで、あの時やめるという決断をしなかった彼らだからこそ今、デビューをつかんでいるのだろう。
こうやって私たちが『頑張ってきた子が日の目を見る喜びを一緒に味わう』という経験ができるのはジャニーズの良き伝統だと思っている。亡くなる前のジャニーさんが病室で彼らのデビューを告げたというのは本当に運命的なもので、ジャニーさんが選んだ彼らが今後トップアイドルに上り詰めるのは間違いないと思う。
もう一つSnow Manには語るべき魅力があって、それは彼らが『新しい』ということだ。
ここまでジャニーズのアイドルがデビューすることの素晴らしさを語ってきていたが、それとは別で、とにかくSnow Manには今までの先輩方にない新しさがある。
まず、メンバーが何年ものキャリアを経て固まってきたころの新メンバー追加というのは新しい。足が長くてとにかくステージ映えがすごい弱冠16歳のラウールくん、端正な顔立ちが目を引く目黒くん、そして関西Jr.としてのイメージが強い向井くん。
彼らにもそれぞれ属していたグループがあり、経験がないわけでは決してないのだが、そこを離れてSnow Manというお兄さん集団に入るのはどれほど覚悟のいる決断だっただろうか。
迎える側の6人もすごいと思う。新しい若い子が入ることで変わってしまうことリスクよりも、Snow Manを守りたいと決断したのは、プロ意識というか並々ならぬものを感じるし、そんな迎える側・迎えられる側互いの覚悟がSnow Manを強くしていると思う。
もう一つ新しいものとして、彼らはJr.時代、(SixTONESやほかのグループもそうだが)これまでになかったYouTube配信というのを試みてきている。
ジャニーズとは、長年手の届かない存在だった。自分だけじゃなくて何十年もの歴史の中で、一度でもジャニーズの誰かを好きになった人ならわかることだろう。
そんな中、Jr.の子たちがYouTubeで気軽に観られるようになったのは本当に異例だった。内容は凝っている企画からゆるく観られるトークまでさまざまだったけど、彼らの為人を少しでも理解できたというのが余計応援したい気持ちにさせてくれた。
前述した新メンバー加入に関しても、特に関西でずっとやってきた向井くんが一人上京するというのはなんとなく心配になってしまう部分もあったのだが、関西ジャニーズJr.のみんなから涙と笑いいっぱいで送り出され、Snow Manメンバーに優しく迎え入れられているというのを見て私は安心した。YouTubeが無かったら抱けなかった感情だった。
ほかにもデビュー曲『D.D』がバチバチに良い曲だったり(特にサビ前のコココココココココの部分が気に入っている)、
カップリングの『Crazy F-R-E-S-H Beat』のTikTok映えする振り付けだったり(若者へのアプローチもマジですごいと感じた)、
ベタなドッキリでも破格に面白く見えたり、本当にデビューしてくれてありがとうと思える要素が彼らにはたくさんある。
アイドルの歴史が変わった瞬間を見せてもらえて、自分はまたアイドルを好きになった。
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