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③夫を亡くした悲しみ乗り越え、生きがいをみつけた利用者様

昨年40年間連れ添ったご主人さんを亡くされたAさん

結婚当初から、ご夫婦で仕立て屋さんを営み、地域で仕立てが上手だと評判のいいお店でした。ご夫婦の仲が良く海外旅行に一緒に出掛けるたり幸せな生活を送られていましたが、昨年、病気ひとつしなかったご主人が突然倒れ入院、闘病生活へ。病気のため仕事ができなくなり、残念ながらお店を休業することに。その後、病状が悪化するも入院を拒否したため、在宅介護へ移行。介護サービスを利用しながらも、Aさんの献身的な介護の末、ご主人さんは天国に旅ただれました。

Aさんは、夫を亡くした喪失感、自責の念と悲しみに暮れる日々、体調がすぐれず介護サービスの支援を受けることに。ヘルパーさん、理学療法士、ケアマネジャーの支援者の励ましにより、徐々に気持ちが落ち着き、友人とのお付き合いができるまでになりました。ところが、今年に入り、世の中がコロナ禍となり家に閉じこもる日々となり、気分の落ち込みがみられるように…心配した娘さんからの一言がFさんの生きがいを見出すことになります。

「お母さん、家には素敵な生地がたくさんあるから、マスクを縫ってみてはどう?マスクが買えない時だから、お世話になった方へプレゼントしたら喜ばれるはずよ」だったのです。娘さんからの一言で大きな光を見出したそうです。

ご主人さんと一緒に選び仕入れた高級な生地を引っ張り出し、マスク作りが始まります。

そこから才能発揮!縫製がきれいで柄も素敵、斬新なデザインやかわいいキャラクターまで芸術のようです。子供用、婦人用、紳士用とサイズも選べる。作品ができるとKさんは、お世話になった方へプレゼント。たちまち「マスク作りの名人」だと地域でも評判となり、遠方からのお客様が買いに来られるようになりました。

また、娘さんの提案でネット販売を始め、マスクの注文が殺到し、忙しい日々を迎えることとなっています。

Kさんから「大好きだった夫に、お店を再開したよと胸を張って誇ることができるわ。これからも細々と仕立て屋を続けるつもりです」と笑顔いっぱいのFさんに、私たち支援者が励まされています。


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