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【withE通信:「=」って何て読む?よくある勘違いにご注意!】

おはじきを 2こ もっています。
3こ もらい、あとから 4こ もらいました。
おはじきは なんこに なりましたか。

これは小学1年生の問題です。「このくらいできるに決まってる!」と思ったそこのあなたに質問です。この問題に次のように答えている人がいたら、あなたは間違いを指摘できますか?

「2+3=5+4=9。だから9こ。」

答えの「9こ」は正しいのですが、その前の式にまずいところがあります。特に数学を学んでいる中学生のみなさんなら気付くかもしれません。

ヒントは、「=」の意味です。
「=」という記号には等号という名前がついています。名前の通り、「=」の両側がしいことを表す記です。
それをふまえてこの式を見てみると、「2+3=5+4」の部分がおかしいですね。2+3と5+4は等しくないはずです。

2+3=5
5+4=9
とか、
 2+3+4
=5+4
=9
という風にすれば正しくなりますね。

これは中学生でもやりがちな間違いです。
「2+3=5+4=9」と書いてしまうとき、きっと心の中で「2たす3は5。たす4は9」という感じで読んでいるのではないでしょうか。

確かに、初めて算数を習うとき「1たす1は2」と読むので、気持ちはとても分かります。中学校で数学が始まった時に「これからはイコールと読みます」と言われているはずなのですが、「長いし面倒!」と思ってそのまま「は」と読んでしまうんですよね……分かります。

それでもわざわざ「イコール」と呼び名が変わるのはどうしてでしょうか。それは、日本語の「は」では等号の意味をきちんと表せないからです。さっきの例もそうでしたね。「2たす3は5。たす4は9」と読むと日本語としては間違っていない感じがしますが、そのまま「2+3=5+4=9」としてしまうと間違いになってしまいます。

中学生のみなさんなら、他にも
「=」は「は」じゃない!(←字面がややこしいですね……)
と感じる場面があったはずです。ズバリ、方程式が登場したときです。

それまでは、
 2x+1+3x+4
=2x+3x+1+4
=5x+5
という風に等号をつなげて計算していたのに、方程式を解くときは
 3x+2=4x+1
3x-4x=1-2
   -x=-1
    x=1

という風になりますよね。等号は、最初に説明した通り、「=」の両側が等しいことを表す記号です。「xについての方程式」は、「xにある数を入れたときに右辺と左辺が等しくなる式」で、その性質を使ってxの値を求めることができるのでした。だからこういう書き方になるわけです。(怪しい人はぜひ教科書で確認してみてください!今なら意味が分かるはず……!)

こうなってくると、確かに中学校で「=」を「は」と読むわけにはいかない、というのも納得できるのではないでしょうか。ここまで読んでくれたみなさんにはぜひ、数学を学んでいる誇りを持って「2+3=5+4=9、はおかしいぞ!」と立派に言える中学生になってもらいたいと思います💪💪💪

ちなみにちなみに。海外ではこの読み方問題、どうなるんでしょうか。
英語では、2+3=5を「Two plus three equals five.」と言うそうです。「equal」はまさに「イコール」のことで、「等しい」という意味の動詞です。
そもそもこれらの数学記号がヨーロッパで生まれたことを考えると、式の書き方のほうが、英語でのような言い方に合わせているのかもしれませんね。

使う言葉によって事情が違っていても、数式にしてしまえば同じ意味が世界中で通じる!というのは、数学の魅力のひとつだと思います。最初は慣れなくても、記号の意味をしっかり理解する癖をつけておけば、世界中で通用する力になるはずですよ✨

作・θ(数学担当)

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