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【withE通信:サイコロと確率】

2月も半ばになり、受験シーズン真っただ中ですね。受験生の皆さんも、志望校合格に向けて頑張っていると思います。

さて、テストや模試などを解いている時にたまにあるのが、選択問題で同じ番号が続く場面。3連続ぐらいならまだいいですが、これが4連続、5連続となると、「さすがにどこか間違ってるんじゃないか」と不安になってきます。

ですが実際には、同じ回答が5連続で続くことは確率的にはおかしくありません。たとえ、答えが「③③③③③」だろうと「②①④②③」だろうと、その確率は一緒です

これは宝くじなどでも同じです。何となくゾロ目や連続する数字を避けて、ランダムそうな数字を選びがちですが、ゾロ目を選んだとしても当たる確率は変わりません。もちろん高額当選が出やすい売り場なんてものも存在しません。

このように、私たちの感覚と確率の間にズレがあるのは珍しいことではありません。低い確率でしか起こらないと思っていたことが、他の場合と同じ確率だったということはよくあります。

その一方で、同じ確率だと思っていたものが、実は違ったという例もあります。その1つがサイコロの出る目です。サイコロといえば、数学の確率問題の定番ですが、現実世界での確率は問題用紙の上とは少し違ってきます。

例えば、「今から目の前でサイコロを振るので、出る目を予想してください」と言われたら、皆さんはどの数字を選びますか?「どの目が出る確率も6分の1なんだから、どれを選んでも同じ」と思うかもしれませんが、実際にはサイコロによってその結果はわずかに変わってきます。


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例えば、この記事の見出し画像の場合は、6の目が一番出やすいです。このようなサイコロは目の部分が彫られているので、それぞれの面はその分軽くなります。この時、「1」と「6」の組み合わせが最も重さの差が大きくなります。その結果、重心の位置がずれ、「6」が出る確率が高くなります。


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次にこのようなサイコロの場合は、5の目が一番出やすくなります。先ほどとの違いは、1の目が他よりも大きく彫られているということです。「1」と「6」の重さの差よりも、「2」と「5」の差の方が大きくなるため、「5」が出る確率が高くなります。

ちなみに、画像のようにサイコロの1の目が赤く塗られているのは日本だけだそうです。その理由は諸説あるそうですが、正確なところはわからないのだとか。


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最後はこのサイコロです。今までと違い目を彫らずに塗装しているだけなので、重さの差はとても小さいですが、それでも塗料の重さの差でわずかに重心はずれてしまいます。目のサイズは一緒なので、「6」が出やすいということになります。

このように、市販されている多くのサイコロの出る目の確率は厳密には一緒ではありません。とはいえ、その差はごくわずかなもので、私たちが実感することはありません。一方で、確率の正確性が求められるカジノなどで使われているサイコロは、塗料の量を調整して重心が中心になるように調整されているそうです。
以前宝くじについての記事で、宝くじの一等が当たる確率は落雷に遭う確率と一緒と書きましたが、身近な出来事の確率を調べてみると面白いかもしれません。
(英語担当:高妻)

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