見出し画像

【withE通信:今年の大雪をもたらしてるのは…】

去年から今年の冬はたくさん雪が降っていますね。雪だるまをつくったり雪合戦をした人もいるのではないでしょうか。いつもとは少し違ったこの寒さや雪の原因は一体何なのでしょう🥶


〈寒さの原因は風?〉

 今年の冬は例年に比べて雪が多いですよね。特に年末年始には全国的な豪雪のニュースをよく見たのではないでしょうか。画面に真っ白の雪景色が映し出され, 見ているだけでも寒さが伝わってきました。なぜ今年はこのような記録的な寒さになったのでしょう🤔
 その原因の1つがラニーニャ現象と呼ばれる現象です。ラニーニャ現象とは東からの風(貿易風)がいつもより強まることで冬には異常に寒くなったり雪が多くなったりするのです。たかが風の強さがいつもと変わるくらい, 大したことないでしょ!と思うかもしれませんが地球規模で考えると大問題なんです!!
 海の中は暖かい水が上に, 冷たい水が下に位置しています。ここに東からの強い風が吹きつけると暖かい水はどんどん西へと流されていきます。その代わりに下から冷たい水が上昇してくるので普段よりも海水温が低くなるのです。「西高東低の気圧配置」という言葉を冬になると天気予報でよく耳にすると思います。これは日本に雪をもたらすときやとても寒い日の気圧配置のことです。まさに太平洋の西側の気温が暖かくなり、東側の気温が低くなることで「西高東低の気圧配置」となります(①)。そのため、寒くなるのです。さらに日本の近くのインドネシアあたりで気温が高くなるため、その反動から西からの風(偏西風)に影響が出てきます。偏西風がいつもより南側に蛇行して吹くことで寒さが日本にまで入り込んできてしまいます(②)。これが今年雪をたくさん降らせた原因なのです。


ラニーニャ


〈逆に猛暑をもたらすのは…〉


 ラニーニャ現象の反対にエルニーニョ現象があります。偏西風が弱まることで暖かい海水がどんどん太平洋の東側に流れ込む現象です。これにより東側の海水温度は上昇します。すると海水の蒸発で積乱雲が発達します。いつもより東側で雨が多くなるとちょうど日本の上に位置していた晴れの範囲も東側に移動してしまいます。そのため日本で雨が多くなったり梅雨が長引いたりするのです。


エルニーニョ


〈なぜ「女の子」?〉

 ラニーニャとはスペイン語で「女の子」を意味しています。なぜそのような名前が付けられたのでしょう。ラニーニャと全く反対の現象のことをペルー北部の漁民がエルニーニョと呼んでいました。エルニーニョとはスペイン語で「男の子」を意味し, 特にイエス・キリストを意味していました。この反対の現象ということで「女の子」を意味するエルニーニョ現象と名づけられました。

たかが風の強さがいつもと違うだけ, なんて甘く考えてはいけません🙅‍♀️風の強さで私たちの生活は大きな影響を受けるのです。たかが風, されど風!まだまだ寒い日が続きます。体調に十分気を付けて過ごしましょう😌
作:サバちゃん(理科担当)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?