見出し画像

【withE通信:暗記の達人へ!】

みなさんはもっと記憶力を高めたいなと感じたことはありませんか?勉強するにあたって、暗記は不可欠な要素であり、記憶力が高いに越したことはありません。ですが実際、暗記が得意な人もいれば、苦手意識を持っている人もいます。この差は一体なんなのでしょうか?記憶の仕組みとともに探っていきましょう!


〈記憶の正体〉

記憶を簡単に説明すると、脳内で新たな神経回路が形成されることです。脳内には1000億個の神経細胞があると言われています。神経細胞の一つ一つには約10000個の別の神経細胞と神経繊維というケーブルを介して繋がっており、これが神経回路です。たくさんの家(神経細胞)が道路(神経繊維)で繋がって、都市(神経回路)ができていくという風に考えるとわかりやすいかと思います。神経回路に飛び回る神経信号を使って脳は情報を処理し、その中から必要な情報だけを引き出すのです。こうした一連を通じて記憶の処理を行なっています。このような記憶には大きく3種類に分けられます。
一つ目は感覚記憶です。これは感覚器官を通じて受け取った、0〜2秒ほどの短い時間の記憶です。私たちは普段、無意識のうちに様々な情報を受け取っています。通学中にすれ違った人の顔や話し声、景色など、数えきれないほどの情報量です。これら全てを記憶していたら脳がパンクしてしまいますよね😅よって、こうした情報は数秒で忘れる仕組みになっています。
二つ目は短期記憶です。これは、感覚記憶ほどの短さではないですが、その名の通り、比較的短い期間保管されている記憶です。英単語や歴史の年号を覚えるとき、一生懸命に覚えたはずなのに、翌日には忘れているといった経験をしたことがある人も多いと思います。これは、短期記憶に保存されたからです。短期記憶に保持できる情報量は決まっているため、ある一定の量を容量を超える情報を受け取っても長期的に脳に保存することが難しいのです。
三つ目は長期記憶です。これは、短期記憶とは対照的で、比較的長い期間脳に保持される記憶です。そのため、脳から必要に応じていつでも取り出せる状態にあります。自分の名前や住所などがこれに当てはまり、忘れることはほぼありません。つまり、勉強した内容を短期記憶から長期記憶に変えることができるかどうかが、効率的に暗記するための大事なポイントなのです!


〈長期記憶に保存される審査〉

では、どのような情報が長期記憶に保管されやすいのでしょうか?ここで、脳内の海馬という部位が大きな役割を果たします。この海馬が長期記憶として保存するかどうかを判断するのです。その判断基準は、生きていくために必要不可欠な情報かどうかという点です。ヒトは動物の一種であり、どんな状況下にあっても生き延びることが最優先事項です。「品質が落ちたものを食べたら食中毒を起こす」とか「信号を守らないと事故に遭う」なんていう情報は命に関わる重大なものです。そのため、忘れてはいけないものだと海馬に判定されます。ですが、英単語や歴史の年号、数学の公式は自分にとっては必要な情報だとしても、海馬はそう判断しません。これらの情報は、覚えていなくても命の危険に迫られることはないからです。ですから、勉強内容がなかなか覚えられないという苦しみは当然といえば当然なのです。


〈脳をだますには?〉

では、どうすれば学校で習った知識勉強内容を長期記憶に保存されるのでしょうか?ここで大切なのは、海馬をうまくだますことです。つまり、勉強内容を海馬に命に関わるほどの必要な情報だと勘違いさせるのです。そのためには、一定期間に何度も反復することがとても重要です。短期間に何度も同じ内容が入ってくると、海馬は生きるのに必要な大事な情報なのだと認識して、長期記憶に保存しようとします。一見ものすごくシンプルな解決策ですが、しっかり勉強内容を暗記できている人はこの反復を欠かさないのです。
短期記憶が保持される期間は大体1ヶ月とされており、新しく何かを覚えたとしても、1ヶ月間復習しなければ、ほとんど忘れてしまうのが私たちの脳です。復習は早ければ早いほど、定着しやすいため、新しく何かを学習したときは、翌日には復習することをおすすめします。
その後は、間隔を少しずつ広げながら、2日後、1週間後、1ヶ月後というようなペースで復習していけば、長期記憶に変換されやすいでしょう。このペース配分は一例ですので、色んなパターンを試してやりやすい復習のリズムを作っていくと良いと思います。ちなみに、復習のときにはインプットだけでなく、アウトプットを意識する、何度も書いたり読んだりして、五感をフル活用する、などの工夫をすると、よりスムーズに暗記できます。
また、自分の経験と結びつけて覚えると、長期記憶に保存される傾向にあります。印象的な自分の過去の経験は、いつまでも覚えているものではないでしょうか?この理屈を勉強にも活用するのです。たとえば、人に教えたり、友達と問題を出し合ったりすることは有効な方法だと言えます。勉強内容が経験と紐付くと、経験を頼りに思い出しやすくなるのです。さらに、嬉しい、悔しいなどの感情が伴うと、より記憶に残りやすいとも言われています。

いかがでしたか?暗記する方法は人それぞれです。ぜひ、記憶と脳のメカニズムを踏まえて、自分に合った暗記方法を試行錯誤しながら見つけてみてください。そうすれば、勉強への自信がつき、さらなるモチベーションに繋がります。「暗記は苦手だから」と諦めるのではなく、継続して反復に取り組むことが暗記の近道かもしれませんね😁
作:ゆい(英語担当)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?