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【withE通信:色が変わる魔法の紙】

まだまだ寒い日が続いていますね。気温の変化が大きいこの時期は特に体調管理をしっかりしましょう。また, 花粉の季節も近づいています🤧花粉対策も万全でいきましょう!
 今日はリトマス紙についてのお話です。リトマス紙は液性を判定するための紙で, よく理科で使われます。 授業で見たことがある人や使ったことがある人は多いのではないでしょうか。何性のとき何色に変化するか覚えていますか?酸性で青色から赤色に, アルカリ性で赤色から青色に変化するのでしたね。授業で習ったからそうなんだと思うかもしれませんが, 紙に付く液体によって色が変化するなんて, なんだかマジックみたいで不思議ですよね。今日はそんなリトマス紙に詳しくなってみましょう。


〈リトマス紙の材料は…〉

 リトマス紙の原材料は, その名もリトマスゴケです。見た目も名前も『コケ』っぽいですが『コケ』ではありません🙅‍♀️地衣類とよばれる菌類でキノコの仲間です。このリトマスゴケを使えば自分でリトマス紙をつくることもできます。でもこのリトマスゴケ, 日本には生息していません。なので代わりに仲間のウメノキゴケ(ちなみにこれも地衣類)を使うことでリトマス紙が作れます。ウメノキゴケをアンモニアとオキシドールに加えて1か月, 混ぜながら放置するとリトマス紙の素となる赤色の液体(リトマス色素)が完成するのです。


〈紙の色を変える犯人は…〉

 液性によって紙の色が変わる理由はリトマスゴケやウメノキゴケが栄養補給した後の『残りかす(レカノール酸)』です。アンモニアとオキシドールに1か月つけておくことで『残りかす』がリトマス色素となるのです。
 ところで, 私たちの見ている光には, たくさんの色が混ざっています。太陽の光は白く見えていますが, あの光の中には赤も青も緑も混ざっているのです。だから太陽の光が反射されて虹が出現するんですね🌈酸性溶液には水素イオンがたくさん存在しており, 酸性溶液にリトマス色素に浸すと水素イオンとくっつく性質を持っています。これにより, 光に含まれている赤色以外の光が吸収されるのです。そうすると, 吸収されなかった赤色だけが反射して人の目に届く(赤く見える)のです。逆にアルカリ性の溶液では水素イオンを手放します。これにより, 光に含まれている青色以外の光が吸収されるため, 残った青色だけが反射して人の目に届くのです👀


〈日常にリトマス紙〉

 最初は色がついているけど, 乾くと色が消えるスティックのりを知っていますか?どこにのりがついているのかがすぐにわかる優れものです。この色が消える原理もリトマス紙と同じです。色の付いた状態はアルカリ性。でも空気中の二酸化炭素や紙の酸性成分と触れることで中和され, 青色から透明に変化しているのです。

中和とか酸性とか化学変化とかって化学でしか使わない。と思っていませんか?化学変化が身近にも活用されていることを知るとまた少し理科を好きになってもらえるかなと思います。

作・サバちゃん(理科担当)

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