見出し画像

【withE通信:2021年度も終わり…】

いよいよ明日で2021年度も終わり、4月になって新たな2022年度が始まります!この「○○年度」という言葉、よく耳にしますよね。でも、「○○年」という言い方もあるのに、複雑だと思いませんか?例えば、この間卒業した方たちは2022年に卒業しているのに、「2021年度卒業生」と言われます。この「年度」っていったい何なんでしょう?


〈「年度」とは〉

 まず、「○○年」というのは暦年のことで暦通りに1月1日から12月31日までの1年間のことを指します。しかし、年度というのは「目的に合わせて区切られた1年間の期間」を表しています。国や地方公共団体の財政運営の秩序を守るために設けられた「会計年度」や学校における学年の区切りとなる「学年年度」があります。他には「米穀年度」や「貿易年度」などもあります。日本では、「学校年度」の習慣が染みついているので、4月にいろいろなことがはじまるというイメージがありますよね。手帳でも、1月はじまりのもの以外に4月はじまりのものも用意されています。


〈年度の違い〉

 日本では、会計年度と学校年度が一致していますが、諸外国では一致しないことが多いです。例えば中国では、会計年度は1月はじまりですが、学校年度は 9月はじまりです。特に学校年度に関していうと、夏休み明けに年度が始まることが多いようです。(北半球では主に9月はじまり、南半球では主に2・3月はじまり。)年度は「目的に合わせて区切られた」ものであるため当然と言えば当然ですが、ではなぜ日本は会計年度と学校年度がどちらも4月に始まるのでしょうか?

 そもそも年度という考え方が日本に入ってきたのは明治時代。当初の会計年度は新米の収穫後を見計らって決められたため、10月はじまりでした。そこから11年間にわたって試行錯誤が行われ、今の4月はじまりに落ち着いたようです。この理由としては、日本が農業国だったためという理由が挙げられています。というのも、当時納められる税の大部分はお米によるものだったため、その米の収穫を終え、換金し、税として納め、国の予算を組むという流れに余裕を持たせたためだと言われているのです。
 一方で学校年度についてですが、そもそも江戸時代の寺子屋や藩校のときには入学や進学の時期に特定の決まりはありませんでした。その後、学制が始まったときにはドイツやイギリスをまねた9月入学が主流になりました。しかし、会計年度が4月はじまりになった際に、学校年度も4月はじまりに変わったのです。これによって、日本では会計年度と学校年度が一致するということになっているのです。

皆さんは今年度を思い返してみて、どうでしょうか?
新しい学校や学年、クラスを気持ちよく始めるためにも、一度振り返っておくのもいいかもしれませんね。

作成者:わさび(国語・英語担当)

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?