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どちらか一方しか手に入らないと、思い込んでいませんか?〜コトバ化の鉄人 星野良太

これは、鉄人コーチ集団 「Withコーチ」 の "コトバ化の鉄人"こと、星野良太が、自分の夢か結婚かについて悩む若者へのレターコーチングである。鉄人コーチとは困難な現実・テーマに、タフに楽しく気迫を持ってwith(伴走)する、強さとしなやかさと愛に溢れるコーチのことを呼ぶ。

クライアント 祐樹さん(仮名) 30歳

コーチの皆さん、こんにちは。今回、収入、起業、結婚というあたりで僕は迷っています。僕は今、幸いにも仕事があります。しかし、実は他にやりたいことがあります。僕は起業をしたいと思っていました。ですが、周囲には反対されました。特にこのご時世、仕事があること自体が恵まれていると思います。ですけど、起業したいという思いは、学生時代からありました。だからビジネスの経験や社会経験を積むために、一度は会社に就職しようと思って、希望する業界に就職しました。20代後半で起業という計画はあったのですが、社会状況が急変し、状況が良くなったら動き出そうと思っていました。でも、状況は良くなる様子もなく、むしろ、こういう状況がこれからは当たり前になるんじゃないかと考えました。

そんな時、4年ほどお付き合いしている彼女から、そろそろ結婚をしたいというようなことを言われました。正直今の僕には結婚を考えることができなかったので、結婚という形ではなくてと思っていましたが、彼女には理解してもらえず、ちょっと不信感を抱かせてしまったようです。僕は起業したくて、起業したては不安定になるから、結婚までは考えられないです。なんとなく、年齢とか、付き合った年月からすると、僕の友人たちも結婚し始める人が多くて。誰かと一緒にいるのは良いなと、彼女に出会って感じています。それでも、彼女に僕は起業をしたいから、まだ結婚はできないということをいうと、彼女としては、僕が彼女を本当に大切にしていないと感じるのは当然だと思います。僕はどっちが大切だということを聞かれると、本当に疲れる、というのが今の気持ちです。彼女にはもちろん感謝をしています。だけども、今の僕には結婚を考えることができず、じゃあ、待っていてくれと言えるくらいの何かがあるかといえば、起業すらしていません。

今起業をしてしまえばと思いますが、いろんなビジネスが潰れていく今の状況での起業が、本当にベストなタイミングなのだろうかと。彼女に僕は起業したいから、それが安定するまでは結婚は考えられないというのなら、じゃあ、いつ起業するのかと聞かれてしまうのはわかります。でも、今じゃない。そして、結婚も今じゃない。そう考えると、僕は彼女に対して無責任な男のようにも思えます。だから、今もし僕が別れを告げれば、彼女はまだ出会いがあるだろうと思ったりします。

こんな状況ですが、次の一歩を考えるために、レターコーチングを受けさせていただきます。

レターコーチング  コトバ化の鉄人、星野良太

こんにちは祐樹さん、星野です。
いただいたレター、拝見しました。
ただ、内容を読み進めながら、何か引っかかりを感じて仕方ありませんでした。

引っかかったことからお伝えしていきたいと思います。


起業したいとおっしゃっていますが、その中身が見えないんです。
あなたがやりたいことは起業しないとできないことなのでしょうか。
それとも、自分だけの会社をつくりたいのでしょうか。

ちなみにぼくは、やりたいことがなければ起業はするべきではない、などとは思いません。
自分だけの会社をつくりたい欲求があっても構わないと思っています。
背負うものや立場が変わることで、見えるものや周りとの関係が変わることはありますから。


もう一つ引っかかったのは、結婚というものに感じている責任の様なものです。
ここにも、自分で勝手に作り上げた縛りを感じました。
結婚とはこうあるべき、という堅苦しい枠の様なもの。
起業したら不安定になるから結婚は考えられないと言いますが、
市役所に結婚届を提出するときに年収の証明を求められることはありません。
また、逆に結婚しないと無責任だとも思いません。
それぞれが納得して、それぞれの意志で選んで一緒にいる関係でしょうから、
あなただけに責任があるわけではない。


結局、どちらか一方しか手に入らない、という考え方が随所に感じられて、そこにぼくは引っかかっているのかもしれません。
もしかしたら起業も結婚も、どちらにも踏み切る踏ん切りがつかなくて、双方を言い訳にしてしまっているのかもしれません。


さて。
一つ、イメージしてみてください。
やりたかった起業も、社員の立場も、両方望んでみるのは不可能でしょうか。
起業と結婚も、両方実現する道を模索してみたらどうでしょう。
意外と、望んで動いてみれば叶ったりするものです。

たとえば、今の会社の上長に相談してみてください。
「うちの会社って、社員の起業を禁止してましたっけ?」と。
もし今の社則で禁じていたとしても、社則は変えることだってできます。
むしろ今の時代、会社としても優秀な人材を引き留めるいい手法になる可能性もあります。

もうひとつ、パートナーさんにも伝えてみてください。
「自分は起業するし、あなたとの結婚もしたい」と。
意外と、あなたの事業を支えるパートナーにもなってくれるかもしれません。
頼れる仲間がいれば、一人だけで起業するよりも、はるかにうまくいく確率が高くなるはずです。


あなたの実際の詳細な状況はつかめませんので、もしかしたら両方望むのは不可能な理由があるのかもしれません。
でも大切なのは、自分が得たい未来のために行動をすることです。

いつまでも自分の頭の中だけで計画を立てている人は、支援者も得られません。
どれだけ頭のなかでシミュレーションしても、相手の反応は未知数です。

でも、行動すれば、状況が変わります。
周りの反応も明確にわかりますし、その中にはあなたの支援者が現れるかもしれません。
そこから、次の手を考えて手遅れになることって、そうないと思います。
伝えてみる、相談してみる、という行動だけでも構いません。
あなたの頭の中だけで完結させないでください。

一般論で言えば、
すでに行動を始めた人々は、行動を起こした人に好意的です。
逆に行動をできない人は、行動を起こした人に否定的です。
あなたの周りに自分の意志で動き始めた人がいれば、その方への相談から始めてみればいいのかもしれません。
きっと、背中を押す一言をもらえるんじゃないでしょうか。

あなたが感じていらっしゃるように、時代が変わり始めた様に思います。
これまで安定と思われていた事業や会社が、傾き始めました。
世の中の誰かが決めた正しい道は、もはやあなたの幸せを保証してはくれません。
だから、一人ひとりが自分と話し合って、正しいと思う道を選ぶ時代に変化しつつある。

そんな時代の中、あなたはどんな道を選ぶんでしょうか。

会社に属しながら起業する道が、あなたを幸せにするかもしれない。
起業と結婚、両方を望む決断が、あなたと家族を幸せにするかもしれない。

欲しい未来のイメージが描ければ、そこに向けて一歩ずつ進めばいいと思います。
決断して、覚悟と熱意を持って、考えながら進めばいいと思います。


ちなみに昨年、ぼくは退職と起業と出産と引っ越しを同時に迎えてしまいました。
産休を取ってから退職すればよかったとか、失業保険もらえる様に起業時期をずらせばよかったとか、手順においての改善点は多々あります。
もうちょっとうまくやれたな、と。
ただ、後悔はないです。自分が決めた道を歩き始めた感覚があり、清々しい気持ちです。
結婚3年目で初めて同居をはじめた妻も、ぼくの初めての起業を支えてくれています。
(この決断に至るまでは、相当揉めましたけどね)


もし祐樹さんが同じ道を歩く仲間になれば、とても頼もしく思います。

コトバ化の鉄人について

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