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浅野文直さん、印象操作をやめて下さい

一般社団法人「Colabo」から名誉毀損を理由として、民事訴訟を提起されている川崎市議会議員の浅野文直氏が、登録者数53.2万人を誇るYoutubeチャンネル「文化人放送局」の2023年5月11日に公開された動画に出演していました。

その動画の中で浅野氏は、Colaboから訴訟を起こされた経緯に関し、事実を捻じ曲げた説明をしており、他の動画出演者、並びに、その動画の視聴者に誤った認識を与えています。

今回の記事では、浅野氏がどのような説明を行ない、その説明の影響を他の出演者が受けた結果、どのように番組が最後まで進行して行ったかを明らかにしていきます。

浅野文直さん、印象操作という卑怯な真似はやめて下さい。

動画の概要

概要

  • チャンネル名:文化人放送局

  • チャンネル登録者数:登録者数53.2万人(2023年5月12日時点)

  • 動画タイトル:【コラボ公金問題】川崎の税金使われていたので疑義追及したら…逆上して名誉毀損&賠償される!?

  • 動画の内容:浅野文直氏がColaboに名誉毀損を理由とした民事訴訟を起こされた件に関して、浅野氏含む出演者が対談するといった内容

  • 動画収録日:2023年5月10日

  • 動画公開日:2023年5月11日

出演者

  • 山岡哲秀氏(司会進行役):情報戦略アナリスト

  • 野口なつ美氏:美容皮膚科医

  • 浅野文直氏:自民党・川崎市議

  • 長尾たかし氏:自民党・前衆議院議員

時系列を有耶無耶にした印象操作

まずは、浅野氏がColaboから民事訴訟を起こされることになった経緯について、説明しているところから確認して行きましょう。


長尾たかし(00:07:42)
ありとあらゆる事、例えば、「これっておかしいよね」って疑問に思うことっていくらでもあるじゃないですか。本件に限らずですよ。「実はこれこれ、それはこういう事情ですよ」と。例えば、向こう、Colaboさん側から、『浅野議員、そう仰るけど、実はこうですよ』というような返しがあったのかどうか、というとこですよね。

浅野文直(00:08:08)
まさにそれが頂きたくてですね、まず一回あの、川崎の議場でもですね、私、この件、取り上げまして、市長や健康福祉局長にですね、「そもそも、この支出が正しいのかどうか、どういう見解なんだ」という話をしました。

川崎側は「実際に川崎の住所地の子供を保護されて、この金額で請求されている以上はとりあえずお支払いします」と。ただ、そこの部分、本当に私がさっき言ったような部分で問題がないかどうかは、「東京都さんとColaboさん、それぞれが、きちんとした見解を説明するべきだ」と、「川崎が言うことではないので」という風にまず言われたんですね。

それに向けて、私、一月の十一日ですかね、公開質問状というかたちでColaboさんの、Colaboさんの間違いなく、Colaboさんがいるであろう住所地3ヶ所にですね、質問状を送らさせて頂きました。

そうしましたところ、1ヶ月ほど経って、弁護士から開封せずに、だから、「中身は受け取りませんと、今後は弁護士宛に逆に送って下さい」と。直ぐにもう一度、改めて弁護士宛に送りましたと、公開質問。

しかし、それも未だに何の回答もないんですね。

何の回答もない以上は、表に出ている資料から見ると、二重計上にも見えるし、私人給付なのか、施設給付なのか、明確な部分もハッキリしないし。

ということで、私が今まで二十弾くらいまでYoutube等はじめ、色んなかたちで情報を発信して来て、それに対して、ここに来て、まだ訴状来ておりませんけど、それは言いがかりなんだと、今度は一方的に裁判に向けて、彼らは動いてきたと。ということなんですね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=462

上記が浅野氏による、浅野氏がColaboに訴訟を起こされた経緯の説明部分になります。

この浅野氏の説明を簡潔にまとめると、以下のようになると思います。

  1. 川崎市からColaboへの支出に関して疑問があったので、川崎市の議会で浅野氏は市長や健康福祉局長に質問を行った。その結果、(浅野氏が二重計上を疑う部分の質問に関しては)川崎市が見解を述べるべきことではなく、東京都とColaboがそれぞれ見解を述べることだと回答を受けた。

  2. 2023年1月11日にColaboへ公開質問状を送付した。弁護団から返答があり、Colaboではなく弁護団宛に送るように伝えられたので、弁護団宛に公開質問状を再送した。

  3. 公開質問状に対する回答がなかった。何の回答もない以上、手元にある資料等から見ると、疑義が生まれるし、不明点も払拭されない。

  4. Youtubeで20弾くらいまでColaboに関する動画配信を行なった。

  5. 一方的に裁判に向けてColaboが動いて来て、訴訟を起こされた。

このような、浅野氏の説明ですと、一連の経緯を把握していない人にとっては、あたかも、浅野氏がColaboに関する疑惑動画を配信する前に、川崎市の議会で質問を行ったり、Colaboに対して公開質問状を送付していたかのような印象を受けるでしょうし、実際の時系列とは異なる解釈をしてしまうことに繋がるでしょう。

事実、この動画に出演している浅野氏以外の他3名は、浅野氏の説明により、まさにそのような認識を持った上での発言を動画の最後まで続けていたのです。

しかし、実際の時系列は浅野氏の説明とは異なります。

実際の時系列

  • 2022年12月13日:「Colabo 調査報告第1弾」の動画公開

  • 2022年12月15日:「Colabo 調査報告第2弾」の動画公開

  • 2022年12月18日:「Colabo 調査報告第3弾」の動画公開

  • 2022年12月20日:「Colabo 調査報告第4弾」の動画公開

  • 2022年12月21日:川崎市議会定例会での一般質問

  • 2022年12月21日:「Colabo 調査報告第5弾」のライブ動画公開

  • 2022年12月23日:「Colabo 調査報告第6弾」の動画公開

  • 2022年12月25日:「Colabo 調査報告第7弾」の動画公開

  • 2022年12月27日:「Colabo 調査報告第8弾」の動画公開

  • 2022年12月30日:「Colabo 調査報告第9弾」の動画公開

  • 2023年1月4日:「Colabo 調査報告第10弾」の動画公開

  • 2023年1月6日:「Colabo 調査報告第11弾」の動画公開

  • 2023年1月11日:「Colabo 調査報告第12弾」の動画公開

  • 2023年1月11日:Colaboに対して公開質問状の送付

  • (後略)

上記の通り、実際は浅野氏が川崎市議会定例会で一般質問を行なう以前から、Colaboに対する疑惑動画を4本配信済みでした。また、公開質問状を送る以前には既に11本の動画を配信済みでした。

※ 厳密に言うと公開質問状を送付する前に公開した 「Colabo 調査報告第12弾」も含めると、公開質問状送付以前に公開した動画を12本。しかし、「Colabo 調査報告第12弾」は送付する公開質問状の内容を紹介するといった動画なので除外。

そして、浅野氏が公開質問状を送付する以前に公開済みであった、それらのColaboに関する疑惑動画の内容は、以下の記事で私が詳しく解説した通り、浅野氏の結論ありきで稚拙な根拠をもとに作り上げられた疑惑を、浅野氏が一方的に伝えるものであり、Colaboの信用毀損に繋がるような内容のものでした。

公開質問状が無視された事実も存在しない

また、Colabo側が浅野氏の公開質問状に何の回答もしていないという、浅野氏の発言は適切でありません。

Colabo側は2023年2月1日に『「公金の二重受給」という事実誤認について』という弁護団声明を出しており、その声明の中で浅野氏の名前を出さなかったものの、浅野氏の公開質問状を意識した内容の回答をしています。浅野氏もこの弁護団声明は認識しており、自身の動画「Colabo 調査報告第16弾! 「公金の二重受給」声明に呆れた」の中で、これに対して不満を漏らしながら言及しています。

浅野氏は単に自分が望んだ回答を得られなかったことを以て、Colabo側から公開質問状に対する何の回答も無いと言っているだけの話です。

公開質問状に関する問題点については、以下の記事で更に詳しく説明しています。

一方的に裁判に向けてColabo側に動かれたのも事実と異なる

また、浅野氏は「一方的に裁判に向けて、彼らは動いてきた」とも、訴訟を起こされた経緯を説明する中で発言しておりましたが、これも事実と異なります。

実際は司法の場での解決を望む意向を先に示したのは浅野氏であり、浅野氏は自身の動画「Colabo 調査報告第16弾! 「公金の二重受給」声明に呆れた」の中で『これ、お互いに声明や動画等でやりとりしてるよりも、司法の場で明らかにした方がはっきりするのかもしれませんね。』と発言をしております。

一方的に裁判に向けてColabo側に動かれたのではなく、むしろ、浅野氏が望んだ結果になったというだけの話ですし、そもそも、前述の通り、浅野氏は訴えられても当然のことを、公開質問状送付以前の時点で既に行っていた訳です。

誤った認識のもとに進行していく対談

その後、先ほどの浅野氏の説明を聴いた他3名の出演者は、浅野氏の説明が正しいものという前提で、対談を進めてしまうことになります。

山岡哲秀(00:11:30)
そうしますとね、いきなり、つまり、議員として当然、調査して、疑問があれば調査して質問するというのは当然のことな訳ですよね。

長尾たかし(00:11:43)
普通の行為ですよね。

山岡哲秀(00:11:44)
普通。仕事ですからね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=690

山岡氏は、議員として当然、疑問があれば調査をして質問するのは当然のことだという発言をしていました。

しかし、浅野氏の場合は、そうではなくて、疑問があれば調査をして、その調査で得た情報から、結論ありきで疑惑を立て、何本も何本も公開質問状を送付する前から一方的な疑惑動画を配信していたのです。

長尾たかし(00:15:02)
普通に考えて、川崎市にとって全く無関係ではない訳で、お金の流れの一部に関わっている、ならば、疑問に思う、選挙によって選ばれた議員という立場で、これは疑問に思うということは極めて自然な流れであって。

でも、もちろん、お互い人間ですから、間違ったことを言うことはあるかもしれないし、そこは理解不足ですねっていうやり取りがあれば、この話はそれで終わる訳で。

だけども、終わらずにですね、なんか、やおら、向こうがファイティングポーズとって、という部分はむしろその行為の方が不自然ですよね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=902

その後も長尾氏は上記の通り、浅野氏が最初から公開質問状をColaboに送っていて、Colaboがそれに回答せずに、いきなり訴訟を起こして来たかのような認識で発言をしてしまっています。

山岡哲秀(00:16:26)
議員の立場で、しかも、その関連する議会、行政機関からですね。行政の範囲から質問をしているわけですから、まずその質問に答えて、明確に答えて、少なくとも答えて、回答していると。

疑問点について、明確に回答しているのにも関わらず、その回答を無視して、あたかも、回答していないような印象を与えるとか、あるいは、その回答内容を曲解して伝えるとか何とかということ。

しかし、浅野さんの方が公開で質問している訳ですから、先方も答えるならば公開すれば良いのであって、それまずやって、その上でですね、先生がですね、そっから更に曲解したことをどんどん印象操作として、発信したというのなら、そこで初めて…(※ 長尾氏の発言に遮れる)

長尾たかし(00:17:22)
向こうは返しがない訳だから

山岡哲秀(00:17:23)
そう、返さないでおいて、いきなり裁判を起こすと言うのは、それはおかしな話ですよね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=986

上記の部分では山岡氏は、Colabo側が浅野氏の公開質問状に回答しているのにも関わらず、浅野氏が質問に回答していない印象を与えるような発言をするとか、回答内容を曲解して伝えるようなことならば問題である(が、そうでないから問題ではない)といった趣旨の発言をされています。

しかし、浅野氏の問題点は公開質問状を送付する以前に、浅野氏が入手した情報を曲解して疑惑を立て、Colaboの信用毀損に繋がるような疑惑動画を11本も配信していたことです。


山岡哲秀(00:19:22)

いずれにしても、浅野先生は東京都に対しても質問した、そして、そこでの説明も聴いた、しかし、それでも不十分であった。その公開質問状に対する疑問というのは払拭されていない状態な訳ですよね。

しかし、質問等は行なっている訳ですね、ですから、そこには、この疑問を持つ、その動画の中で発信された、「これはもしかしたら、裏帳簿があるんじゃないか」とか、あるいは、「これは不適切な何とかじゃないのか」と、考えるに足る根拠を持っているから言っている訳ですよね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=1162

上記の山岡氏による発言も、浅野氏がColaboに訴訟を起こされた経緯について事実を捻じ曲げて説明した結果、生じてしまった誤認識に基づく発言です。

実際の時系列は前述の通り、「裏帳簿」発言を含む浅野氏の疑惑動画は、浅野氏がColaboに公開質問状を送付する前段階で既に公開されていたのです。

浅野氏は他の出演者がこういった発言を度々しても、一切、訂正することはありませんでした。

浅野氏は司会の山岡氏、野口氏、長尾氏をある意味、騙している訳ですが、そんなことをして、心が痛まないのでしょうか。

共演者の方々に誤った認識を与えた上で発言をさせ、その方々に「赤っ恥」をかかせるような真似をして、申し訳ないと思わないのでしょうか。

浅野文直さん、印象操作という卑怯な真似はやめて下さい。

野口なつ美(00:21:36)
最初からちゃんとColaboさんのご意見を伺って、ご意見を言って頂く場も設けてられているんですよね。

浅野文直(00:21:45)
私としてはそのつもりで対応させて頂いて来たんですがね。

野口なつ美(00:21:49)
そうするとColaboさん、せっかく良いことを、御事業されていても、「そちらは大丈夫なのかな」って、疑問が出てきちゃうんじゃないかなって思いますよね。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=1296

ここでも、浅野氏は野口氏の認識を訂正する機会があったのにも関わらず、「私としてはそのつもりで対応させて頂いて来たんですがね。」などと、寝ぼけたことを言っています。

野口氏が言うように、浅野氏は最初からちゃんとColaboの意見をきいたり、言ったりしてもらう場を設けていたのでしょうか。そんな話は浅野氏の動画等でこれまで一切、私は聴いたことはありません。

仮にそれが事実でないにも関わらず、「私としてはそのつもりで対応させて頂いて来たんですがね。」という発言をしていたとするならば、それは印象操作レベルの話ではなく、明確に嘘をついているというレベルの話になります。

浅野文直さん、嘘をつくという卑怯な真似はやめて下さい。

山岡哲秀(00:26:27)
きちんと説明を求めている訳ですから、説明求めないで、どんどん解釈論だけやったらね、まだね。しかし、説明を求めて答えをしてこない訳ですから、そこは様々な、今ご説明頂いたような論理的な推論があったとしてもですね、それは全く名誉毀損等には当たらないですね。

浅野文直(00:26:50)
そうですね。そのように思いますし。

https://youtu.be/eHYKLG0bumI?t=1586

さて、動画の終盤では、山岡氏が上記の発言をしていますが、この山岡氏の発言は、Colaboに説明を求めずに解釈論だけで発信していたら問題であり、名誉毀損等に当たり得るという趣旨の発言でもあります。

これこそが、まさに浅野氏がやっていたことであり、これまで度々、この記事の中でも伝えてきた通り、浅野氏は公開質問状を送る以前から、好き放題に一方的な疑惑動画を配信し続けていたのです。

浅野氏も山岡氏の発言に対して「そうですね。そのように思います(し)。」と答えている訳ですから、自分の言動に問題があることは理解出来ているのではないでしょうか。(※ とはいえ、全く期待はしていません)

まとめ

登録者数53.2万人(2023年5月12日時点)を抱えるYoutubeチャンネルにおいて、堂々と印象操作といっても過言ではない事実を捻じ曲げた発言をした浅野氏につきましては、動画の他出演者、並びに、動画の視聴者に対して、今回の動画での発言の訂正、及び、謝罪を行なうことを、心から願っております。(※ 全く期待はしていません)

尚、浅野氏がColaboに送付した公開質問状に関しては、様々な問題点があると私は考えております。先日公開した以下の記事にて解説しておりますので、興味がありましたら、こちらの記事もあわせてお読み頂ければ幸いです。

また、本記事で既に掲載済みではありますが、以下の記事では、浅野氏の一連の動画の問題点も詳しく解説しております。こちらも興味があれば、あわせてお読み頂けると嬉しいです。

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