あいだにはいったお金

恋人が、請け負った仕事、私が間に入ったので、今、お代を預かっているのです。

で、その額が今度の旅行の費用と同じだったので、
メールを送ると、そのまま私が立て替えている旅行費に充ててくれ、と。

それは、なんかやだ、

と、直感的に思い、いったん無理やりにでも渡すことにした。

なんと説明すればよいか、
お金というものの不思議。

でも、仕事の報酬はいったん、受け取らないと。何かがおかしいことになる。

それに付随して、私は自分が生業以外で稼いだお金を、口座を分けて貯めていたことを思い出した。
そしてそれが、ついに使われた日のこと、その目的のことも、思い出した。

私は今までの人生で、2度、貯金が底をついている。

その、ひとつずつを思い出して、思わず、
私の貧乏自慢を書きたくなった。

書いても自慢にならないのにね。

恋人が、請け負った仕事に気が向かず、なかなか仕上げられないとき、

「出来上がるまで、あなたに会わない」

宣言をしたら、おののきつつ、シュンとしつつ、でも、わかった、と言って承諾した。

結局、
それはまったく効き目がなかったので、ひと月あまりで終了して、それ以来発動していないルール。

けれどもさ、
そういう仕事をもっていること自体がうらやましい。
そういうものの、代物としてのお金。

それって、なんか、私にとっては価値がちがうの、だから大事にしたい。

私が間に入ってお金をすり替えてはいけない、絶対に。

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