なぜ皆さんは書かないのか。なぜ私は書くのか。

落語協会の皆さんが一番恥ずかしがる言葉が真心とか誠実とか愛とか、そういった言葉だと思います。チャラチャラといい加減に、ってのが噺家稼業って考え。だから、ほとんどの仲間がパワハラ裁判や落語協会へのご批判などについて発信しない。笑い話じゃないですからね。「落語家ですから真面目な話はできません」ってところでしょう。うむ、それが普通です。
仲間の皆さんは、ダレるから、私の一連の投稿も軽やかにスワイプしたり又は見てみないふり(?)をしている方がほとんどでしょうね。この投稿も読んでる方は「よおよお」って思いながら読んでることでしょう。それでいいと思います。私がちゃんとしていて皆さんがちゃんとしていないわけじゃなく、むしろ噺家としてはそっちの方がちゃんとしてるのかもですね。そういう落語協会の仲間の皆さんが私は大好きですし。
噺家なんざ高座がおもしろけりゃいいんですし、内部事情などは明かすことはないですし、失った信頼は芸で取り返せばいいのでしょう。だから周りの皆さんの姿勢は正しいし、素敵だと思います。「ダンマリを決めこんでる」などと思うファンの方もいるかもしれないですが、中には「落語家ならオチをつけろよ」みたいにおっしゃる方もいますので。この話題にオチをつけたらきっとそれはそれで怒られる。だから黙るしかないって気持ちは私はよくわかります。

私はとてもとても人格者ではなくダメ人間です。昨日もチーズバーガーとバニラシェイクで一食すませようとして、途中ノドに詰まりそうになる例のアレを経験しちゃいました。が、「協会の仲間のおかげ」って気持ちは人並みにありますから、協会を誤解されたり「失望しました。もう落語協会の寄席には行かないです」などと言われるのはちょっと我慢できないんです。「お金にもならないのによくあんなに長い文章を書くよね」って思ってる方もいるでしょうが、お金じゃないんです。居ても立ってもいられない、それだけのことです。

異議申し立てとか揉めそうなものはわりと広まりますが、そうじゃないものはなかなか広まりません。それが口惜しくもありますが、何とも仕方ない。少しずつでも理解していただけたらと思っています。

野暮でマジっぽい奴でおもしろくないという印象を持たれる方も少なくないと思います。が、粋とか野暮の話じゃなく、私としては尊厳にかかわることでございます、はい。でも高座ではこういう話はしないですよ。今まで通りに一席やってます。だから嫌いにならないでください。よろしく哀愁。


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