忘備録 2 (桂浜水族館)
まさか二つ目を書く気になるとは露ほども考えていなかった。完全なる気まぐれだ。
行ってそこそこ時間が経ったが、良いところだと思ったので書こうと思う。公式ホームページの地図を参照しながら記憶を辿るので曖昧な部分が多く、更には自分で思い出すための記録に過ぎないため読みにくいと思うが、お付き合いいただける方にはぜひ楽しんで欲しい。
桂浜水族館へ
ゴールデンウィーク後半、流石に少しくらいは出かけてやろうという気持ちで決行。
昔から動物園やら水族館やらが好きだったこともあり有名所は見てきたが、立地の影響から行けていなかった桂浜水族館に決定した。
到着してまず思ったのは、こじんまりとしているなぁという印象。小さな水族館であることは知っていたが、ローカル感満載のThe地域の水族館と言った感じが味があっていい空気を醸し出している。そんな空気感なのもあり混んでいる想定はしていなかったが、少し遅めの時間に行ったことも相まってほぼ貸切状態だった。
個人的には人混みが苦手なので有難い話であるが、経営状態が心配になる。昨今のこういった施設は金銭難に苦しむと聞くので。
入館切符を購入し、入口の全くゆるくないビビットピンクのマスコットキャラクター「おとどちゃん」に見送られゲートをくぐる。
そんな桂浜水族館に入ってすぐ。入口正面には小さな池状の展示。
写真では分からないが、上から見ると四国の形になっていたように思う。小さな遊び心の隠れたここでは、入口横の餌を購入すると餌やりができる。
びちびちと餌に群がる魚たち。苦手な人は苦手なのだろうが、私は密集した魚フェチなので大変に満足した。
あと写真は撮っていないため載せていないが、この展示の左隣に妖怪がいる。
何を馬鹿げたことを、と思ったそこのあなた。是非桂浜水族館へ。おそらく全く魚たちとは関係の無い妖怪がいます。
先の展示と妖怪たちの左側を進み、大量の金魚を横目に室内展示へ。
入って正面にあるのは土佐湾の幻の魚「アカメ」の模型と大きな水槽。
しかし、私の視線の行き先はその手前の複数種のウツボが詰められた水槽だった。丁寧な手書きのイラストと解説の添えられた水槽にはたくさんのウツボがミッチミチに集まっている。
密集フェチと単純に好きな魚なのもあり、ここでかなりの時間を費やしてあとの見回る時間を減らしてしまったのは痛手だった。余談だが、このアカウントのアイコンはここのウツボちゃんを使っている。
さて、話を戻そう。
入口正面にある大きな「アカメ」の模型とその近くに置かれたライト。このライトを当てると「アカメ」の目が赤く反射する様子が観察できる。
かなり大型な魚なのもあり、その迫力といったらない。ライトを照らした観覧者の多くは沢山の赤い目がこちらを見つめているような錯覚を覚えるだろう。
是非とも足を運んで自らの目で体感してほしい。
一通りアカメを楽しんだ後、大きく視界に映ったのは、館内の中央に大きく座するカメの展示コーナーだろう。
きけん立ち入り禁止、のテープからも分かるようにここのカメたちは大変元気いっぱいである。
実はここでも餌やりができるのだが、その光景はさながらライオンの餌やり。テレビで見る肉に勢いよく食いつくオスライオンと大して変わらない迫力が得られる。
注意書きはなされているが、お子様と来る際は、必ず目を離さないように。手の一つや二つくらいは大人でも持っていかれそうな勢いだ。ただその分スリルがあって楽しいのは確か。
さて、ここからは土佐湾のたくさんの魚たちの小さな展示群に入る訳だが、この水族館の面白い点はここからだ。
載せられそうなめぼしい写真は尽きたので、面白ポイントについて列挙していこうと思う。
これは、液体吸収ソックスの解説である。
普通に展示されている魚の解説に混ざって、液体吸収ソックスが解説されている。
おそらく多くの人が「なにそれ」となるこちら。写真右に写った水槽に張り付いている黒いクッション、こいつの解説である。
桂浜水族館にはこういった遊び要素が多い。
(上の液体吸収ソックス解説も別の壁に続きがある)
何故か写真に残していなかったので例は見せられないが、各水槽には展示されている魚の美味しい調理法なんかも解説されている。しかも土佐弁で書かれており、こういった要素も地方水族館でしか味わえない。
刺身、煮付け、焼き……。目の前の魚は普段どのように食べられているのか、地域の人々の文化も伺える素晴らしい展示だ。
個人的なこの解説の好きポイントは、解説と共に描かれたイラストだ。
一部小さく徳利とお猪口の描かれた解説があるのだが、本解説では特に酒についての言及はなく、酒に合うのだろうということだけ匂わせてくるのが個人的にツボだった。酒のイラストがあるものとないものがあるというのは、そういうことなのだろう。
お酒好きで、魚を酒のお供にしたい方も来てみると得るものがあると思う。
他にもちょっとした教訓のある民話が開設されていたり、旧漢字まみれの読解チャレンジ解説が貼られている水槽も。
館内には魚の他にも爬虫類、両生類のコーナーもあり、のみならず古代魚もいる。
館内を辿って再び外に戻れば、オットセイやトド、アシカ、コツメカワウソ、ペンギン、カピバラ、リクガメが見えることだろう。
あと、二回餌やりについて記載したが、他にも餌をやれる場所はいくつかあり、量に差こそあれその全てが100円で可能だ。割と200、300……と生き物によって違いのある傾向にあるこういったサービスで1律100円というのは珍しいのではないだろうか。
そして、小さな水族館ももう終わりか、と出口に繋がる売店の近くにはドクターフィッシュが控えており、最後まで生き物と触れ合える場所が設けられていた。
本当に触れ合いの場が多く、実際に体験して楽しむタイプの水族館だった。知識欲を刺激される解説やポスターもたくさんあり、活字中毒の人間でも楽しめそうだと感じる。
売店にはリアル寄りのぬいぐるみ達が売られており、デフォルメぬいぐるみアンチの方でも満足していただけるだろう。
海辺にあることもあり涼やかで、風通しが良く臭いによる不快感はほとんどない。嗅覚が鋭い方は分からないが、少なくとも中に籠るような臭さはなかったように思う。
案の定というか、他にも観光してから訪れたのもあり閉館時間までがあっという間で、個人的にはもっとゆっくりと時間に余裕を持って見たかった節はある。
解説の遊び心を十全に楽しめたかと言われると否を返さざるを得ないほどには楽しめるポイントが多い。
いつか必ずリベンジしたいと思う。
それほどまでに様々な要素盛りだくさんの水族館、「桂浜水族館」に興味を持ってくれた方。
ここまで読んでくれた心優しい読者の方がいるのであれば、一度足を運んで見てほしい。
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