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ファミコン音源とラウドネスの話

音圧戦争の要、ラウドネスの仕組みが理解できたところで
1つ、面白い知識を共有しましょう。
ファミコン音源のラウドネスについてです。

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ファミコンの音源は音量固定の三角波とノイズ
そして音量と波形を可変可能な矩形波2基
大体はこの4つの音で構成されています。(もちろん例外もあります)
ほとんどの場合

三角波=ベース
ノイズ=ドラムや効果音
矩形波=メロディと和音

を担当しています。(もちろん例外もあります)

ここで重要なのは
音量を変えれるのが矩形波だけということ。
そして同じ音量で一番音が大きく感じる(ラウドネス音量が高い)のが
矩形波である
ということ。

要するにベース三角波とメロディ矩形波が同じ音量で鳴っていると
圧倒的にメロディ矩形波の音が大きいのである。
もう三角波の音が鳴っているのかわからないくらいのでかさ。

ファミコン初期の頃の作品のBGMは
恐らくそういった特性がまだ周知されていなかったのではないか
と思います。
ほとんどのソフトで
矩形波も三角波も同じ最大音量近くで鳴らされていました。

しかしファミコン晩期にもなると
どれだけ心地よく、クオリティの高い音を出せるか
職人芸のごとく技術が進歩しました。

ファミコン後期のBGMほど
心地よい音のミックスバランスを保つために
可変可能なメロディ矩形波の音量を抑え
固定のベース三角波の音量を相対的に大きく

プレイヤー側に音量を上げさせることで理想の音を提供し
音楽の心地よさを追求している作品が多くなりました。

そうです。まるで音圧戦争の話と似ていると思いませんか?
最高の音を提供する際に一番大事なのは
ミックスバランスを破綻させないこと
なのです。

マザー裏面

マザー裏面2

※ 参考画像はファミコンソフトMOTHERのパッケージ裏面

この三角波ベースと矩形波メロディのミックスバランスの変化
ドラクエ3→ドラクエ4
マリオ1→マリオ3
など
シリーズ物で特に分かりやすく感じることができます。
後発の作品ほど三角波ベースの音量が大きくなっています
是非聞き比べたり
素晴らしい音源を堪能したりしてみてください。

個人的に音楽が素晴らしいと思うファミコンソフトを
羅列しておきます。
ファイナルファンタジー、ドラゴンクエスト、ロックマン
ニンテンドー、コナミ全般、など

Spotifyで聞ける作品もいくつか参考に載せておきますね。

他にも素晴らしいファミコン音楽はたくさんあります。
是非この機会に探したりシェアしたりしてみてください。

ファミコンの音楽は
音に自由が無いためメロディ自体が持つ魅力がほぼそのまま反映されます。
そこもファミコン音楽の魅力の1つだと私は思っています。
この限られた音と容量という特別な環境じゃなければ
絶対に具現化されなかったであろう名曲やテクニックの数々。
こんな音楽に触れられて私たちはとても幸せだと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。


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