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波待ち日記|初めて横にいけた瞬間 

 サーフィンって、波がピークから崩れていくキワ(際)のところから、新たに生まれてくるフェイスを横へ横へ乗りつないでいくことができると、それが多分「横に滑る」状態だと思う。
 サーフィンをしない人にとっては、「え?だってそれがサーフィンなんでしょ?」と、お思いだろうが、これが、、、なかなかの険しい道のりなのである。
 
 テイクオフからボードを傾けて、横に向かい始める、、、ビギナーにとっては横を向いたあたりで終わってしまうことが当たり前。横にボードを向けた途端に失速したり、崩れたスープにガンガン押されて岸まで直滑降!というオチが待っている。

 そんなある日、私も初めて「横に滑る」ことができた「SHOBO THE DAY」
(ショボいけど自分にとっては”THE DAY”)が訪れた。
 その日はモモ~腰サイズでタルく、割れずらいコンディションだったが、おかげで人も少なく、プレッシャーも少なく、いたって無欲で(笑)ひとりで満喫していた。
 モモサイズの厚めの波が沖から入ってきた。サイズのない波は大好き!という気持ちの余裕と、無欲が幸いし、スムースにテイクオフ。まるでロングボードのようにうねりしかない波の上に立っている。

 な、なんだこの筆舌し難い幸福感は??なんとなく繋がっていきそうなレフト方向へお尻を落としてみるとレールと波が優しく押し合いながら進んでいくではないか!

 気ぃ~持ちいぃ~!!

 ちょっと加速してみたくなって波を下り、その勢いで波を上がって、時間にすれば多分10秒もなかったと思うが、待ち望んだ瞬間を存分に味わった。
 アップスで欲張りすぎたため、波の裏に出てしまいそこで終了したのだが、、、これって、客観的にはプルアウトじゃね~?的なお土産まで頂いたのだ。

 サーフィンをやらない人にとっては、なんてことない光景。だけど、サーファーにとっては上手な人でも、「あの瞬間」を共感してもらえるんじゃないだろうか。

 これはほんと、私が知っている言葉だけでは表現できない気持ち。そんな気持ちをサーファーみんなが持っていて、気持ちで共感し合うことができる。サーフィンって最高だ。

 体力も頭脳もあるに越したことはないが、究極、経験して初めて得るものがある、超えてみて初めて見える景色がある。
 サーフィンはそんな「経験して初めて」をたくさん感じられるもの。

 あの「SHOBO THE DAY」から数か月が経過、すでにもう次の「THE DAY」を求めている。サーフィンはすごい。

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