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ひとりぼっちの映画館

こんばんは(*ˊᵕˋ*)
書く習慣チャレンジがおわり、それからは「あっ!いま書きたいな」と思った瞬間に思っていたことを書いてきました。

書くだけで活用できてないな~とnoteのトップページを見ていたら、楽しそうなテーマがあったので飛び入り参加させていただきました!

これからお話するのは、映画館でのできごとです。

映画館で貸し切りデビューした日のことを思い出しながら書いていきます。

「毎月1日は1,000円で映画が観られる」イベントが映画館で行われていました。

その前日、新聞の小さい欄に書いてある映画のタイトルからどれを観ようか選ぶ私は、翌日にとんでもないことが起きるとは予想もつきません。

モーニングショーかレイトショーかどちらにしようと悩んでいます。
悩んでいるあいだにも汗で腕に新聞紙がはりつき、腕を動かすと一緒にくっついてきます。
扇風機の風はちっとも涼しくなくて、部屋の中はじわっと暑い。

モーニングショーは朝1番なので、早起きしなければなりません。
レイトショーは夜遅いので、映画を見終えたあと駐車場に戻るまでの治安が心配。

治安はわたし1人の努力でどうにかなるものではないので結局治安を優先して、朝早く起きることに決めました。
無事に座席を予約して、その日は早く寝ることに。明日は早起きしなければなりません。

そして翌日。
朝早く起きて電車に乗り、映画館の最寄り駅で降ります。夏の朝は涼しく足取りも軽やかです。
連日うだるような暑さで、下を向きがちなお花も顔を上げて咲いています。

休日だからか人通りの少ない道は、しんと静まり返っていて知らない街みたい。

ずんずん歩いていくとようやく映画館が見えてきます。田舎だから映画館の数が少なくて、人がたくさん来るので建物よりも駐車場が広くとってあります。

広い駐車場の外側をぐるっとまわり、ようやく映画館に到着すると、混んでいるときが嘘のように両手で数えられるほどしか人がいませんでした。

受付をすませて上映する部屋の扉を開けると、ひんやりと冷たい空気が出てきます。
チケットの番号と座席の後ろに書いてある番号を確認して席に座って、ほっ。
ここまで来れば、あとは上映時間になるのを待つだけです。

もらったチラシを見ながら時間をつぶしていると、あることに気づきました。

ほかに誰もいない!

誰も入ってくることなく、間もなく上映時間です。

ここで、別の問題が浮上してきます。

・観客ひとりでも上映してくれるの?
・これ、こわい映画なんだけどー!誰かー!

観客ひとりなのに上映してくれるのか。観客ひとりなんて、聞いたことがありません。
お金払ってるから見せてくれるのではないか。
いやいや、ひとりのために上映すると思う?
2つの考えが、ぐるぐると頭の中をまわり始めます。

上映予定の映画は、凶器になるといわれるほどずっしりした本が原作の妖怪がでてくる日本映画。

1人で見るつもりで来たけど、違う!
他にも人がいるだろうから、みんなで見るなら安心だろうと来たんだよー。

いろいろな考えがぐるぐると頭をかけめぐるなか、ブーーーと上映を告げる音が鳴り響き、視界がゆっくりと暗くなっていきます。

あ、上映してくれるんだ。わたしひとりのためにすみません!
これ、ひとりでみるんだ……。
帰ろうかな。あ!でも、帰ったら無観客のまま上映になっちゃう。上映やめて店員さんの仕事減るのかな。

さまざまな感情が入りみだれるなか、上映が始まりました。

結局最後まで人は入って来ず、映画館で上映を貸しきってしまいひたすら恐縮して、凍えた身体で小さくなりながら家に帰りました。

映画の内容はほとんど覚えていないのに、この体験だけはずっと頭に残っています。

映画館で映画を見るのって、迫力があって知らない周りの人と一体感もあり、楽しいですよね。

「ハチミツとクローバー」は、音楽がとても気に入って何度も足を運び「刀剣乱舞」は気合いで体調を回復させ、薬研推しになったいい思い出があります。「天気の子」は話の深いところまで知りたくて何度も観ました!

映画は、見るまでの過程も含めて記憶に残るものなんだなと改めて感じました☺️
大人になっても映画館は特別な場所です。

#映画にまつわる思い出